子供の病気

神経芽腫の症状・原因・検査・治療(2ページ目)

神経芽腫は子どもに多いがんの1つです。治りやすいがんから転移、再発するタイプまで様々です。神経芽腫について説明したいと思います

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

神経芽腫の検査

神経芽腫は、カテコールアミンという物質を作る神経から発生しますので、血液中のカテコールアミンが増加し、代謝されて尿からVMAとHVAという物質が多く見られます。尿中VMAやHVAの量は、バナナ、ミカン、コーヒー、バニラなどを食べると高くなってしまいますので、検査の時には控えましょう。

神経芽腫内にはカルシウムが沈着して石灰化が見られるために、胸やお腹のX線検査で発見することもできます。超音波検査、CT、MRI検査などの画像診断は非常に重要です。骨への転移をチェックするためには全身の骨撮影や腫瘍に集まる放射線を出す物質であるメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)を体に入れて、腫瘍の場所を特定するシンチグラフィーを行います。骨髄への転移には、骨髄の中の液を採取する骨髄検査を行います。

検査は、主に、腫瘍の場所、転移の状態を把握することが大切です。そして、治療も兼ねて、腫瘍を摘出し、腫瘍の状態を悪性度を検査します。がん細胞に染色体の数の異常があったり、腫瘍を起こす遺伝子であるがん遺伝子N-mycという遺伝子が多いと、悪性度が高いと言われている。

神経芽腫の治療

腫瘍の原則は、腫瘍を取り除くことです。そのため、可能なら腫瘍摘出術を行います。しかし、1歳未満で自然に治る神経芽腫もあるので、慎重に経過を観察することもあります。医師になって3年目に予後のいい神経芽腫を診察、治療しましたが、腫瘍が大きかったため、副作用の少ない抗がん剤の投与のみを行い、摘出無しで腫瘍は消失しました。

腫瘍の悪性度によって治療は異なります。一部の腫瘍を取り出すことも行われ、2つ以上抗がん剤をしっかりと投与する化学療法を行い、腫瘍が小さくなってから、可能なら外科手術になります。手術は腎臓に近い部分であっても、腎臓を残すことが多いです。骨髄移植を行うことを前提にした大量の抗がん剤による化学療法も行われています。自分の造血幹細胞を使う移植と他人からの骨髄移植があります。また、進行した神経芽腫には放射線治療も行われます。

悪性度の低い場合は、ほぼ100%に近い5年生存率ですが、悪性度の高い場合は、5年生存率は50%を切る状態です。しかし、今後、治療の進歩で改善する可能性はあると思われます。

この病気は、神経から発生するがん細胞の特徴によって、予後が異なりますので、顕微鏡でのしっかりとした診断が必要です。

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