相続・相続税/相続税の申告・納税方法

延納・物納も可能な相続税…納付実態は如何に?(2ページ目)

相続税では延納・物納が認められています。しかし、要件が厳しいのがネックです。相続税の納付の実態を確認しておきましょう。

執筆者:加藤 昌男

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実際に延納を認めてもらうには

相続税の納付の実態は?

相続税の納付の実態は?

次に掲げるすべての要件を満たす場合には、延納が認められます。
  • 相続税額が10万円を超えること
  • 金銭で納付することを困難とする事由があり、且つその納付を困難とする金額の範囲内であること(延納許可限度額)
  • 延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること
  • 相続税の申告期限までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること
ここで問題なのは「延納許可限度額」です。延納許可限度額は、相続財産だけでなく納税者固有の財産も含めた金額を下記の算式にあてはめて、納付が困難かどうか判断されます。
  • 延納許可限度額=納付税額-金銭納付可能額(※1)
(※1)現預金+換金容易な財産(※2)-3ヵ月分の生活費-1ヵ月分の事業運転資金
(※2)公社債・上場株式等の有価証券や解約による負担が少ない保険契約・積立金など
 

相続税納税の実態

確かに、相続税では延納・物納が認められています。しかし、前述の通り要件が厳しいことから銀行から借入れて納付しているのが実態です。金利も延納の利子税割合が2.1%~になるのに対して、金融機関の借入金利は1.5%前後です。

そして、2000万円超の借入をする人は、相続した土地を売却して返済しています。2000万円以下なら何とか返済できるためです。金利(利子税を含む)は、所得税の経費にならず資金繰りが悪くなるということもあります。また、申告期限から3年以内なら取得費加算の特例(※)の適用が受けられるためです。
(※)相続した土地を売却した際の譲渡税の特例。相続税の一部を土地の取得費に加えるため、譲渡益が減り、譲渡税が減額になる。


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