「サービス付き高齢者向け住宅」とは、「高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)」の改正を受けて、2011年10月以降に誕生した住宅の形態です。2012年に入って、その登録戸数が急増しています。誕生の背景やその内容、注意点などについて見ていきましょう。

高齢者に適した住宅の供給増加を目的に一元化されたもの

日本では、単身や夫婦のみの高齢者世帯が増加しています。反面、高齢者が安心して借りられる住宅が不足していると指摘されていました。
といっても、高齢者向けの賃貸住宅がなかったわけではありません。以前の高齢者住まい法では、高齢者の入居を拒まない「高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)」、専ら高齢者に賃貸する「高齢者専用賃貸住宅(高専賃)」、さらにバリアフリー構造など良好な居住環境を備えた「高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)」の3つが制度化されていました。しかし、制度が複雑なうえ、バリアフリーが基準となっていない住宅も多く、生活支援サービスの提供が義務化されていないことなどから、高齢者の住まいとしては機能が十分ではないといった指摘がされていました。

そこで、高円賃、高専賃、高優賃を廃止し、一元的な制度して「サービス付き高齢者向け住宅」が再構築されました。高齢者向けの住宅としては、老人福祉法による有料老人ホームもありますが、基準を満たせば「サービス付き高齢者向け住宅」として登録することができます。
サービス付き高齢者向け住宅に一本化

※国土交通省の資料を基に、筆者が作成


サービス付き高齢者向け住宅とは、どんな住宅?

では、どういった住宅をサービス付き高齢者住宅として、登録できるのでしょうか。主な基準は、バリアフリー構造であることに加え、一定の面積や設備を有すること、少なくとも安否確認と生活相談サービスが提供されること、入居者が保護される契約形態であることなどです。登録は建物ごとに行い、登録後も5年ごとに更新が必要です。
サービス付き高齢者向け住宅とは

※国土交通省の資料を基に、筆者が作成



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