原作は児童文学の不朽の名作
『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』
■対象年齢ストーリーを理解し楽しめるには8、9歳以上といったところでしょうか
■ストーリー
1897年、カナダ東部・プリンスエドワード島アボンリー村。グリーンゲーブルズ(緑の切妻屋根)の家に住むカスバート家の兄妹マシューとマリラは年老いたこともあり、孤児院から元気な男の子を貰い受けちゃんとした家庭と教育を与える事でゆくゆくはいい働き手になってもらおうと考えていた。そしてその子の到着の日。馬車で迎えに行ったマシューを待っていたのは、手違いにより痩せてそばかすだらけの赤髪の女の子アン・シャーリーだった。
最初アンを孤児院に戻すつもりだったマリラだが、おしゃべりで、空想力に富み、感性の豊かなアンの魅力にまずマシューがそしてマリラも次第に心惹かれていく。遂に二人はアンをグリーンゲーブルズに置くことを決める。そうアンはとうとう自分の居場所を見つけたのだ。
■喜ばれたポイント
作品自体の持つ魅力、圧倒的な完成度の高さに尽きると思います。
■作品について
この映画は1979年に「世界名作劇場」枠で放送されたテレビアニメの第1~6話を2010年に再編集し劇場公開した作品です。脚本・監督は高畑勲さん、場面設定・画面構成は宮崎駿さんで現在スタジオジブリを支えるお二人の若き日の才気がほとばしる意欲作であり、二人がタッグを組んだ最後のTVアニメでもあります。
原作はカナダの女流作家ルーシー・モンゴメリの名作児童文学「赤毛のアン」です。小説の方も時代を超えて読み継がれる不朽の名作です。
そしてこの名作を共に児童文学に造詣の深いお二人が手がけたということもあり、きめ細やかな心理描写、よく練られた台詞、なめらかで生き生きとした人物の動き、等現在のアニメと比べて全く遜色はありません。
そればかりか今の作品に失われてしまったゆったりとした時間の流れ、子供達を温かく時に厳しさを持って見守る大人達の眼差しがしっかりと描かれることで、CG映像に慣れ格闘・推理ものばかりの今の子供達には新鮮に興味深く映る部分も大きいのではないでしょうか。
また真に優れた子供向けの作品は大人の鑑賞にも十分堪えうるとは言いますが本作品は大人も子供と一緒に楽しむことができます。親世代が子供の頃感じた印象とはまた違った視点で観られるのも作品の奥深さ故です。