小児悪性腫瘍…ウィルムス腫瘍とは

腎臓

子どもに多い腎臓から発生する腎臓の腫瘍です

ウィルムス腫瘍は1814年にRance博士が初めて報告し、1899年にMax Wilms博士が7例報告したことから、この病名がつけられました。

腎臓から発生するので、「腎芽腫」とも呼ばれています。乳幼児に多く、5歳までに90%発生しています。そのため、子どもに多い悪性腫瘍です。

ウィルムス腫瘍は、胎児の頃に腎臓になる組織から発生し、右でも左でも同じ頻度で腎臓に発生する悪性腫瘍、つまり、ガンです。左右両方に発生する頻度は5%で多くは片方です。

悪性ですので、転移することも知られており、多くは、リンパ節や肺に転移します。

日本では年間約50~100例近く発生していますので、出生数1.5万人に1人程度は発生していることになります。一方、アメリカでは年間約500例発生しています。

男女比はほとんどなく、やや女児に多いです。私が経験したウィムス腫瘍も女児でした。

ウィルムス腫瘍の原因

原因として、遺伝子の異常が報告されています。染色体の11番目にあるWT1遺伝子とWT2遺伝子は、癌抑制遺伝子と言われていて、その異常で、ガンが発生します。そのため、ウィルムス腫瘍では、様々な合併症が報告されています。

多くは、腎臓の周りの奇形が多く、泌尿器科の病気である尿管異常、精巣が陰嚢にない停留精巣、尿道が陰茎の開いている尿道下裂、腎臓に尿がたまる水腎症、筋肉や骨格に左右差のある片側肥大、手足の変形などの奇形が見られます。

ウィルムス腫瘍の症状

多くは無症状で、お腹が大きいことで気づかれることがあります。
症状としては
  • 腹部腫瘤(お腹に表面が平らで硬い動きの悪いしっかりとした「しこり」がある)、腹部膨隆(お腹がはる)
  • 腹痛、嘔吐
  • 発熱
  • 血尿、
  • 不機嫌
などです。

私が診療した症例もお腹が大きいということで、受診されました。

次のページで検査と治療について説明します。