石川尚のWAKUWAKUプレスレポート#44
筆者が語る『BAUHAUS』展 見どころ・その1
ここでの見どころは、なんといってもマルセル・ブロイヤーの家具。
とくに1923年に開催されたバウハウス展に際してデザインした実験住宅「アム・ホルン」の居間のタンス(写真中央)が絶品。
これはドイツ国外で展示されるのは初めての作品です。
5つの異なる大きさ・色・素材・用途の箱を組み合わせたこの家具は、20世紀で最も重要なファニチャーデザイナーのひとりであるブロイヤーの初期の作品であり、当時のバウハウスデザインを語る代表的な作品でもある。
水平・垂直の面と線、レッド・グレー・オレンジ色が力強くかつ軽やかに構成されています。
箱の大きな面の構成を際立たせる為に枠や板を細く薄く処理している所などブロイヤーの構成感覚が見どころです。
きれいに整った箱ダンスをバラバラに分解して再度組み替えました!………アンバランスの美しさって言わんばかりのデザインだ。
そして、オランダの運動(中でも)の影響が感じられる作品でもある。
■ 実験住宅「アム・ホルン」の居間のタンス
・デザイン:マルセル・ブロイヤー
・制作:バウハウス・ヴァイマール家具工房
・ 1923年作。楓材(つや消しグレー)、パドック材(艶消し赤)、ハンガリ-産とねりこ材(艶けし)、黒く磨かれたナシ材、金具(ニッケル仕上げ)
・ 2002年に発見され、2007年にゲルト・オシュマンが修復・復元
・本編 誕生90周年、『BAUHAUS』展(第1部)をご覧ください。
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