国際分散投資のエースは時代と共に変遷

アメリカ、日本、ヨーロッパ、アジア……と株価けん引のトップランナーはそのバトンをつないできたことは、今までに書いて来た通りです。

「投資は10年スパンで考える」

では、これからはどうなるのか?という疑問に対して、次はアメリカの復活、そしてインドの再興を私は予測しました。さらにその先は?という超長期の有望投資先にはアフリカがあります。

昔は、アフリカに投資などというと、とっても野蛮なことに聞こえましたが、今ではきわめて真っ当な選択です。現実に、アフリカに投資している投資信託を調べてみると、フィデリティEMEAファンドという銘柄に突き当たります。モーニングスターのファンド検索で、アフリカに投資している投資信託を調べると、五つ星で圧倒的な優位でトップにランクされています。2012年10月までの1年間で7.79%の上昇ですから、爆騰というわけではありませんが、堅実でした。

このファンドの国別組入状況を見ると、南アフリカに46%、ナイジェリアに8%、ケニアに2%投資していることがわかります(アフリカ以外では、ロシアに25%、イギリスに6%、カナダ、トルコに2%)。さて、南アフリカは新興国の優等生として知られていますし情報も豊富ですが、ナイジェリアやケニアを投資先と思っている日本人はまだ少ないと思います。しかし、投資のプロが新興国のどんな企業に投資をしているかを知ることは、あなたの投資脳にも良き学びになること間違いありません。ファンドの投資先を通して新興国経済を知ってください。

ナイジェリアに投資する

さて、ナイジェリアは、福岡県と同じくらいの経済規模で、南アフリカ、エジプトに次いでアフリカ第3の経済国です。石油生産量世界12位、輸出量世界8位という、世界有数の産油国。ならば、経済の優等生かというとさにあらず、過度の石油依存のおかげで、政治の腐敗、放漫財政とオイルブーム後の巨額の累積債務のため、経済は低迷を続けているところが実態です。では、ファンドマネージャーは何に期待してナイジェリアに投資しているのでしょうか?どんな企業に投資しているのでしょうか?

石油の他にあるナイジェリアのストロングポイントは人口です。アフリカで最高の人口、1億5,000万人を擁していますが、そのほとんどは低所得階層(年間所得3,000ドル以下)に当たります。今、この時期に海外からナイジェリアに投資する妙味としては、この低所得階層が中所得階層に上昇していくときに起きる、大きな経済変動があります。1億5,000万人の消費が毎月1万円増えただけでも、この国のGDPは70%も拡大するのですから、とても可能性を秘めています。

そんな経済ステージにある国で注目されるセクターは、一般消費財、通信、金融です。では、実際に先ほどのフィデリティEMEAファンドが投資先として選んだいくつかの企業の概要を見てみましょう。まずは、消費材を製造しているナイジェリア・ブリューワリーズ(Nigeria Breweries、略してNBL)です。

ナイジェリアのビール会社NBL

NBL は創業 1946 年で、ナイジェリアにおける最大のビール醸造会社です。ナイジェリア国内に 6 つの生産拠点を有しています。自社ブランドのビールやノンアルコー ル飲料のほかに、ハイネケンを始めとする他社ブランドのライセンス生産も請け負っています。人口が多いだけに、庶民の生活が豊かになっていく過程で、アルコール飲料が普及していくのは、日本の歴史を見ても明らかです。NBL(NB:NL)の直近の1年間の株価上昇率は55%でした(2012年11月26日現在)。

ケニアの通信会社Safaricom

ナイジェリアが西アフリカの雄ならば、東アフリカの雄はケニアです。他のアフリカ諸国に比べて工業化が比較的進んでいる共和国です。そんなケニアにファンドが投資している通信会社はサファリコム(Safaricom)です。サファリコム(Safaricom)は、かつて独占的な通信業者であったケニア電信・電話会社(Kenya Posts & Telecommunications Corporation)の一部門として発足しましたが、2002年に公社化され、2008年に株式を公開されました。

データは少し古いですが、約4,000万人の人口のケニアで、サファリコムは
617万5000人の登録ユーザー、1336万人の顧客ベース、8650の小売拠点、301 個所の3G対応の基地局を有しています(2009年3月31日現在)。収益ベースによる市場シェアは83.0%で、登録者数ベースによる市場シェアが79.0%!これは、先進国ではありえないほどの独占企業です。サファリコムはケニアでモバイルインターネットポータルを立ち上げました。これによりケニヤ人は携帯電話から国内外のコンテンツに直接アクセスできるようになりました。また太陽電池で動く電話もアフリカで初めて導入しています。

アフリカでは、固定電話の時代を飛ばして、いきなり携帯電話とインターネットが普及するという、まさに人類未曾有の体験をしているのです。すごいことです。サファリコムの(SAFCOM:KE)のこの1年間の株価の上昇率は88%でした(2012年11月26日現在)。

アフリカの銀行も有望銘柄

第3のセクターとして、銀行があります。今まで貯金とは無縁だったアフリカ人が銀行などの金融機関に自分の口座を持つようになったり、事業家がお金を借りるようになることで、金融機関の仕事がいっぺんに拡張します。ファンドマネージャーは、ナイジェリアやケニアのいくつかの銀行にも投資を行っていることが、運用報告書から読み取れます。

いかがでしたか? 未開の大陸、アフリカの将来性を感じてもらえたでしょうか?

無知や偏見から解放されることが、投資家となる第一歩でもあるのです。世界をありのままに見てください。そして、知ってください。

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