日常性まで求められる最新スーパースポーツ

アウディR8GTスパイダー

世界限定333台、日本には10台が導入された。価格は3064万円。カーボンパーツを多数採用することなどで、ベースから約85kgの軽量化を実現。車両重量を1690kgとした

真のスーパースポーツカーに要求される要素は、飛び抜けたパフォーマンスだけじゃない。そのほか、スタイリングの個性や稀少性といった昔ながらの要素に加えて、最近では扱いやすさや乗り心地といった日常性まで求められる。

この4つの要素をまとめあげた代表例は、ポルシェ911ターボであり、ノーマルの911が1000万円台でみせるスタンダード性と同様に、オーバー2000万円以上における1つの理想像として君臨している。

R8は、正にその911の上級グレードによって拡大されてきたマーケットを狙った、ミドシップのスーパーカーである。

それゆえ、アウディがR8というクルマにおいて戦略的に考えたことが、今や同じグループであるポルシェのそれとほぼ同じであったとしても、不思議ではない。つまり。ラグジュアリィ化と軽量化の両面によるモデル認知度のアップと、モータースポーツに力を入れることだ。前者はV10モデルやスパイダーの追加、後者はGT3カテゴリーへの参戦、として、それぞれ現実のものとなっている。
アウディR8GTスパイダー

ボディサイズは全長4445mm×全幅1905mm×全高1235mm。専用サスペンションを備え、車高は10mm下げられている

その次として、当然、考えられたのが、ポルシェも得意とする、限定車ビジネスである。まずは、GT3のイメージをもって世界333台限定でクーペモデルのGTがデビュー。こうなると、お次はその屋根をぶった切るというのも、この手のビジネスの常套手段であり、案の定、GTのスパイダーバージョンが、これまた世界333台限定で登場した。

正直に言って、フロントカナードや固定リアウィングといった勇ましいアイテムが、スーパーカーのなかでも異例に洒落たR8スパイダーの容姿に似合うとは思えない。ボクには、せっかくの美しい着物姿の女性が、そのまま勇ましく手足を襷掛けしたような違和感を覚えてしまう……。
アウディR8GTスパイダー

バケットシートやウインドスクリーンフレームなどにアルカンターラを採用。メーター内やサイートにはGTのエンブレムが備わる