子育て/子育て・ママ育て

産んだら、いいお母さんになれるの?(2ページ目)

妊娠中は「母親教室」があったのに、どうして「お母さん教室」はないんだろう? 不思議だと思いませんか。みんな気づいてないけれど、お母さんを育てる仕組みはこの世の中にないんです。

執筆者:青木 美惠子

まずは睡眠が必須!

「いいママ」でいるためには、まず睡眠が必須というひとつの科学データ。忙しい日常で睡眠時間を確保するためには、「手を抜く」ということをまず身につける必要性があるかもしれません。眠れるときに眠る、いまやらなくていいことは先に延ばして睡眠を優先する。ママのゆとりは結果的に子どものため、という考え方です。スキンシップの意味も含めて、親子でお昼寝してしまうのも、いいのかもしれません。

また、習慣というのは反復練習でようやく身についてくるものです。ということは、慣れるまで居心地が悪い時期があるということを理解しておきましょう。「習い」「慣れる」それが「習慣」の正体。子育てや母性というのは、居心地の悪い時期を乗り越えて慣れた末にようやく手に入る新しい習慣。決して一朝一夕には手に入らない。だからこそ、慌てる必要もなければいま完璧にできない自分を責める必要もないです。

そもそも、育児に「絶対」はありません。お子さんは一人一人すべて違うし、それは例えば同じDNAを持つ兄弟姉妹であっても決して同じに育たないのがその証拠。育児書通りに子育てしても、子どもがその通りに育つことはないでしょう。それどころか周りからは「マニュアル世代」などと揶揄されてしまうことも。このような努力が空回りする育児ストレスが余計にお母さまたちの「アイデンティティの受難」を招いていると思います。

脳は案外フェミニストではない

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母子ともにゆっくり新しい習慣を身につけましょう

発達障害支援のサイト運営している耳鼻科の先生が社会性発達のひとつの事例として、三歳までの子どもは母親の声は「お母さんの声」として認識するが父親の声に関しては「音」として認識する。父親かどうかを判断するのは体温や肌の感覚、匂いなど音のほかに五感を使った判断材料が必要であるといったお話を書いていました。中部大教授の高田邦彦先生のお話で「イルカは母子では会話するが、父子では会話しない」と聞いたことがあります。この二つの事例から見えてくるのは、脳は案外フェミニストではないということ。男女平等という感覚は人間の脳の基本構造の中にはない部分もあるようです。母性神話が崩壊してもなお根強く生き続けている理由はこんなところにあるのかもしれません。

フェミニストではない脳の機能。とはいえ、新しい習慣を作らない限り育たないとされる母性と子育てのスキル。何より一番の問題は、それらをきちんと教えてくれるところがないことかもしれません。「わたしが悪いんです」そう自分を責める前に、一度振り返ってみませんか? もしかしたらまだ、新しい習慣が身に着いていないだけかもしれませんよ。

完璧なお母さんより、ちょっと抜けているくらいが子どもを楽にするという説もあります。子どもは大人が思う以上にたくましく、ある意味生きることに長けた存在だからです。育児は誰のためなのか。完璧なお母さんを本当に子どもたちは望んでいるのか。子どもは誰でもみんな、無条件にお母さんが大好き。そのことをまずはしっかりと受け止めてあげてくださいね。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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