庭をもっと活用したい、もっと楽しめる空間が欲しい、という要望は意外と多いものです。居住空間を増やすことのできるサンルームは、まさにリフォームの楽しさ、醍醐味と言えるでしょう。
今回は上記のようなお悩みを抱えている方にぜひ参考としていただきたい、サンルームとウッドデッキのリフォーム事例をご紹介します。リフォームだからこそチェックしておきたいポイントも含まれていますので、これからエクステリアをリフォームしようと考えておられる方は、ぜひご一読ください。
カタログだけでは決められない難しさと面白さ
いきなり最初から今回の事例のタネあかしをしてしまうと、このリフォーム事例においては、リフォームならではの面白さや難しさが随所に散りばめられる結果になっています。それは、カタログやショールームで見て、施主の気に行ったモノが、必ずしも設置できるとは限らないということ、そして、だからといって施主の満足度が必ずしも下がってしまう訳ではないということでした。まず今回の事例における施主様は、サンルームとウッドデッキを設置することは決意されていたのですが、当初は今回採用したモノよりも、上位グレードのサンルームで検討されていました。カタログで様々なオプション類などもチェックし、ショールームで実物も実際に見て、納得の上で工事見積りをもらう予定でした。
ところが実際にリフォーム業者に見積りを頼む段階になり、リフォーム予定の箇所を業者に見てもらうと「この商品、組み合わせでのリフォームはやめた方がいい」と助言されました。実はこの施主様が設置を予定していた場所は、建物1Fではあるのですが、その真上にベランダが出っ張っており、新たに設置するサンルームの屋根がバルコニーの壁の周囲を覆うような仕上がりになってしまい、接続部に雨水の浸入を防ぐコーキング処理をしたとしても、数年で雨漏りの原因になってしまうだろうとのことでした。
また、施主様が想定していたサンルームの腰壁の仕上げはタイルだったのですが、ウッドデッキの上に設置するサンルームでは柱や壁の強度が弱くなってしまうため、壁が重くなりやすいタイル仕上げも望ましくないとのことでした。
予算を抑えつつ、全体の印象を高めるアイデア
ガッカリしている施主様にリフォーム業者が新たな提案を持ちかけてくれました。「商品グレードの高いサンルームを採用するのではなく、ところどころ採用する部材のグレードを上げてみましょう。さらに当初お考えだった予算より安くなるはずですから、その分でウッドデッキを広く敷いて全体として高品位の空間を作ってみたらどうでしょうか?」そもそも施主様がサンルームの商品グレードにこだわったのは「せっかくの休みの日にはリラックスして過ごせる家族だけの贅沢な空間が欲しい。だからこそ、安っぽいのは絶対に避けたい」という理由からでした。早速施主様はこの業者の提案を元に、再度商品選定することになったのです。
次のページでは、実際のリフォーム写真とその費用についてご紹介します。