ETF/金ETF(金価格連動型上場投資信託)の特徴

オルタナティブとしての金の魅力と金ETF活用法(2ページ目)

ユーロ問題や米中経済の行方など、先行き不透明な環境が続く中、オルタナティブ投資として金が注目されています。金を持つとどんな効果が期待でき、どれくらい組み入れたらよいのか、知っておきたい投資のポイントについて解説します!

執筆者:村岡 里香

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金に投資することで期待できる効果

金に投資することで得られる効果には、主に次の3つのことが挙げられます。

●ポートフォリオの効率アップ
金は他の資産との値動きの相関性が低く、株や債券など他の投資対象とは違った値動きをすることが知られています。よって、株や債券などと適度に組み合わせることで分散投資の効果を高められ、一定のリスクでより高いリターンを目指すことが可能になります(金の他の資産との相関性については「金ETFでポートフォリオを強化する!」をご参照ください)。

●インフレ対策としての効果
1970年代のオイルショック時、株が暴落したのに対し、金は1000円台から6485円の国内史上最高値まで急騰!

1970年代のオイルショック時、株が暴落したのに対し、金は1000円台から6485円の国内史上最高値まで急騰!

また、金は昔からインフレに強い資産として知られています。一般的に「株式はインフレに強く、債券はインフレに弱い」と言われますね。ただ、株式は長期でみると物価上昇率を上回る成長を実現していますが、急激なインフレでは運用成績が落ち込む場合も。例えば原油価格高騰などは株式にとってダメージとなります。一方、モノである金は、インフレになると通貨の価値が下がるため、物価が上昇すればするほど値上がりし、他資産の目減りをカバーしてくれます。

●金融危機、地政学的リスクなど有事への備え
また、金を持つことは、突発的な大きなリスク、いわゆるテールリスクに備えることにもつながります。例えば2008年のリーマンショックのように、発生確率は小さいけれど、発生すると資産に大きなダメージが及ぶようなできごとがときとして起こります。実物資産であり、破たんのリスクがない金には、昔から国籍のない通貨、安全資産としての性格があり、有事の際にはマネーの逃避先となる傾向があります。リーマンショックやギリシャショックの後も需要が増大して金価格は上昇。「有事の金」が大きく見直されることになりました。

持っているだけでは配当も金利もつかない金ですが、伝統的投資がふるわない時期やイザという場面で頼りになる存在。ポートフォリオを支える役目として保有を考えたい資産と言えます。

>>金に投資する際に便利なのが金ETF。どのくらいを目安にポートフォリオに組み入れたらよいのでしょうか?

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