非常時から平常時のスマートハウスへ
特に、2011年のスマートハウスが「緊急時に自分たち家族がエネルギー自給できる家」と、やや狭義だったのに比べ、2012年はスマートハウスの集合体であるスマートシティが各地で誕生し、「自分たち家族だけでなくコミュニティ内でエネルギーを融通しあって助け合う」「日本のピークシフト電力問題のために、街全体でエネルギー需給する」といった広義の社会的メッセージを見せてきていることが注目です。ピークシフトとピークカットの違い(経産省HPより)
主婦の8割は「スマートハウス、よく分からない」
このようにスマートハウスに追い風が吹き、住宅各社も日進月歩で技術開発に取り組んでいますが、一方でスマートハウスという言葉の明確な定義がなく、しかも日々進化しているため、消費者や主婦にとっては今一つ分かりにくくなっている面もあるようです。2012年9月、震災後1年半を機に(株)メディア・ハウジング研究所では「スマートハウスに関する意識調査」(対象は全国の既婚女性360人)を実施しました。それによると、「スマートハウスがどういう家か知らない」と答えた主婦は8割近くに。しかし、その一方で、やはり社会時勢的に話題になっているためか、「来年、家を買うときにスマートハウスを検討するか」という質問には約半数が「検討したい」と答えています。ニーズや関心は女性や主婦にも確かにあるのだということが分かりました。
主婦360人に行ったアンケート調査によると、スマートハウスについて「聞いたことがない」「聞いたことはあるが、よく分からない」をあわせると約8割にのぼる((株)メディア・ハウジング研究所実施、2012年9月)
そこで、なぜ今こういうスマートハウスの流れになっているのか、現在のスマートハウスの意義を理解するためにも歴史的な解釈を次ページでしてみたいと思います。