現在、築40年をこえた昭和の名作住宅が、それぞれの事情 により、ひっそりと姿を消しつつあり、なかには昭和という時代を代表する、歴史的、文化的価値が高い住宅も含まれています。こうした名作住宅の多くは、まだ十分に 住める状態でありながら、個人の所有であるために継承が難しく、保存を望む人々の思いや活動も空しく、解体される例が後を絶ちません。
今回の[昭和の名作住宅に暮らす]展でとりあげられた「自由が丘の家(園田高弘邸)」(吉村順三設計1955年竣工)、「旧倉田邸」(吉田五十八設計1955年竣工)、「新・前川國男自邸」(前川國男設計1974竣工)も例外ではなく、現在、保存・継承の問題に直面しています。本展を企画した「昭和の名作住宅に暮らす」展実行委員会は、保存を前提に購入してくださる方を募ると同時に、こうした消え去る運命に直面した名作住宅を次世代に引き継ぐための仕組みづくりに取り組んでいます。
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会期:2012年9月21日(木)~10月21日(日)
開廊:木・金・土・日/13:00~18:00 入場無料
会場:ガレリア・アビターレ 住所:東京都世田谷区玉川田園調布2-13-1
主催:「昭和の名作住宅に暮らす」展実行委員会
問合わせ先:jyutakuisan@gmail.com
監修:野沢正光、松隈洋

残された3つの名作住宅

会場のガレリア・アビターレは建築家 堀部安嗣氏の設計による集合住宅の地下1階にあります。通りに面したエントランスから狭い階段を降りると、挨拶文と3軒の住宅の概要を記したパネルが掲げられた小さな部屋に出ます。さらに足を進めると、20坪程の吹抜け空間が現れます。3方の壁のラックには、図面と写真家 齋藤さだむ氏が撮影した写真が並び、中央の大テーブルには3軒の住宅の模型と設計図が置かれています。これらが今も色褪せることの無い3軒の名作住宅の魅力を余すところ無く伝えています。
なお「新・前川國男自邸」については、写真家 吉村行雄氏による「旧・前川國男自邸」+「新・前川國男自邸」の映像を上映しています。現在のところ、この期間のみの貴重な映像展示です。ぜひこの機会にご覧下さい。
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1. 展示に熱心に見入る来場者たち。
2. 手前は「旧倉田邸」、中央と右は「自由が丘の家」(吉村順三ギャラリー所蔵)、奥は「新・前川國男自邸」の模型。
「旧倉田邸」と「新・前川國男自邸」は本展のために新たに制作された。
3. 展示室は中庭に続く。ガラス戸を開くと中庭と一体になる。



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