多くの家族にとって、
「何年介護をするのか」は気になるポイント

「何年、介護をするのか?」は、家族にとって切実な疑問です

「何年、介護をするのか?」は、家族にとって切実な疑問です

ガイドである私が講演などを行う際、聴講者の方からよくいただくのが「介護って何年ぐらいやるものなんですか?」という質問です。

残念ながら高齢者の場合、一度要介護状態になった方が元気いっぱいに回復することは滅多にありません。進行ペースは人によって違っても、少しずつ心身が弱っていくことがほとんど。最終的なゴールは、要介護者の死という形で訪れることになります。

家族として「少しでも長く生きてほしい」という気持ちと、「介護の悩みから早く解放されたい」という率直な気持ちが入り交じって、「介護は何年ぐらいやるの?」という質問になっているのだと思います。
 

平均余命と健康寿命から
介護期間を推測

一般的な介護期間を考えるうえで参考になるのが、平均余命健康寿命という2つの指標です。

平均余命とは、厚生労働省が毎年発表している「ある年齢の人々が、その後何年生きられるか」という期待値のこと。平成23年に生まれた人は、平均すると次の年齢まで生きるとされています。これがいわゆる「平均寿命」です。

  • 男性……79.44歳
  • 女性……85.90歳


次に健康寿命とは、日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のこと。厚生労働省が発表している平成22年現在の健康寿命は、次の通りです。

  • 男性……70.42歳
  • 女性……73.62歳


平均寿命と差し引きすると、男性の要介護期間は9.02年、女性の要介護期間は12.28年と推測することができます。

さらに細かく見ると、現在70歳の男性の平均余命は14.93年、現在74歳の女性の平均余命は15.97年。この年齢の方を今すぐ介護すると仮定すると、15~16年の要介護期間と考えられます。
 

生命保険文化センターの統計から
介護期間を推測

別の指標として参考になるのが、生命保険文化センターが発表している統計です。

介護経験がある人に「どのくらいの期間介護を行ったのか」を聞いたところ、介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均55.2カ月(4年7カ月)。4年以上介護を行っている人も4割を超えています。現在進行形で介護をしている人が含まれているため、実際の介護期間はもっと長いはずです。

また、介護費用を準備しておく必要がある期間を聞いたところ、平均は164.5カ月(13年9カ月)。「10~15年未満」が35.4%と最も多くなっています。

これらの結果から推測すると、5~15年ぐらいの要介護期間は覚悟した方が良さそうです。
 

長い介護期間、
くれぐれも無理は禁物

私が講演でよく言うことですが、介護とは、ゴールの見えないマラソンのようなものです。

5~15年、場合によってはそれ以上の期間にわたって介護をしていくことを考えると、家族が頑張りすぎてしまうのは禁物。介護のために仕事を辞めてしまったり、配偶者や子どもと別居して親との同居を始めたりした場合、要介護期間が長くなればなるほど、最初の「親のために精いっぱい頑張ろう」という気持ちは薄れ、さまざまなストレスや不満を溜め込むことになりかねません。

自分自身の生活をしっかりと守ったうえで、できる範囲の介護を行うこと。社会資源(介護保険サービスはもちろん、行政の各種サービスやボランティアなど)を、しっかりと利用することを強くおすすめします。



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