◆実際に進行中のコンペの画面を開いてみると、なかなかの盛況ぶり。出されたアイデアに、建築家たちが人気投票を行ったり、BBSに感想を書き込んだりして盛り上がっています。こんな“場”というものができるなんて、ある意味ほんとに閉ざされていた建築という世界がようやく開かれはじめたのかなという思いがします。だけど、中にはちょっと“行きすぎ”かなと思える作品も…。それについて桑村さんは言います。
「建つ建たないという問題をある程度は度外視しても、いろんなアイデアが集まってきた方がいいと思います。少し自由な方がいい。それで少し無理めのアイデアでも、それが契約となったら、それは建築家が努力して実現に持っていくしかないでしょう。コンペの段階で、そこまでガチガチにカタログ的にはしたくない。『これは建たないんじゃないか』という意見があるのは知っていますが、それは建築家が自分の首を絞めることになるんじゃないかな。じゃあ絶対建築可能なものばかりにして、それがズラッと並んでいたら、誰かが『こりゃあいい』って持って帰ったらそれまでですからね。コンペの段階では無理めぐらいでちょうどいいんですよ」
◆桑村さんは、参加する建て主たちの意識も見る目もどんどんレベルアップしてきていて、ある意味「ほんとに建つか建たないか」までを見きった上で選択している言います。それに仮に無理めだと思っても、チャレンジ精神とか独創性を買ってその人に頼みたいという人が出てくるケースだって十分にある。ようは出された設計案を通じて建て主と建築家の間に信頼関係が築けるかどうかが重要だというわけですね。
◆世界でも類を見ない、建築家と建て主を結ぶシステム「ハウスコ」(旧HOUSE COMPETITION)。それはこれまでなかなか日の当たらなかったアトリエ系建築家に大きなチャンスを拓いたと言えるでしょう。桑村さんは言いました。
「はじめてからもう17~18軒は建ったんじゃないかな。学生とかまったく家を建てた経験のない人たちもコンペに参加しはじめましたし、そういう人が取ったりすることも出てきました。それは眠っていた才能を世に出すということで、少しは貢献もできたのかなと思ってます。アトリエ系建築家にとっては、ほんとにかわいそうなぐらいきびしい環境ですから。
いまは家づくりはどちらかと言うと建築家の過酷な労働に支えられて、という感じですよね。ソフトに対する評価はまだまだ低い。僕はとにかく設計料20%というのを一般的にしようと考えてるんです。それはちょっと推し進めたい。設計依頼も増えて建築家もある程度潤って、やる気が出るような、そういう建築界になればいいなと思ってます」
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