建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

若手建築家にチャンスを提供したハウスコ

設計コンペの草分け「ハウスコ」(旧HOUSE COMPETITION)。そこは若くてエネルギーのある建築家たちが、競って自己アピールできる自由な“場”として機能しています。サイト運営者の桑村さんに聞きました。

執筆者:坂本 徹也

多いときは50案以上ものプランが…


インターネットで何ができるかを試してみたいというのが最初のきっかけだったと「ハウスコ」(旧HOUSE COMPETITION)の桑村武志さんは言います。桑村さんは建築学科の出身ですが、自身は建築家ではなく、何か建築にかかわることができないかと思っていたところにインターネットが登場してきたというわけです。

★「HOUSE COMPETITION」のTOPページ

「ハウスコ」(旧HOUSE COMPETITION)は、ネット上で一般化してきた住宅建築コンペの草分け的存在。最初に桑村さんがこれを立ち上げたのは97年でした。
「ネットのコンセプトの魅力に引かれて、あ、これ何やってもいいんだ、おもしろい、何かやろうと。で、97年の2月に立ち上げたんです。最初の依頼は2~3カ月で来ました。最初の年にもう5~6件はやってますから、けっこう来るもんだと。97~98年頃はやはりパソコンを覗いてる中心世代ということで30代が多かったですが、30代の息子から教えてもらったという年配の人からも依頼は来てましたね」(桑村さん)

最初、30代を中心に40~50人でスタートした賛同建築家たちも、年を追うごとに100人単位で増え、いまでは1000人を超えるそうです。その顔ぶれはじつに多様で、大学生から50代~60代のベテランまでが毎回こぞって参加してくるそうです。基本的には、まず建て主側の条件提示があって、現地調査会(やらないこともある)のあと、2週間~1カ月ぐらいで参加する建築家たちからの設計プランが上がってくる。それを建て主は書類で受け取って検討し、お気に入りの1人を決め契約を交わすというもの。お互いが「本気であること」を示すため、建て主側は1万5000円、建築家たちは3000円程度の参加費を払うというシステムになっています。それでもときには、最終選考後に契約が成立しなかったり、お金の都合がつかなかったりということもあって、建築家たちのリスクがまったくないわけではありません。
「建築家も建て主もお互いに自己責任で、自分の責任においてやっていくということです。設計する側は責任を持って提案し、建て主側も自己責任において判断すると。このサイトはそういう建築家と建て主とをつなぐ“場”なわけですから」(桑村さん)

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます