この世とあの世の境? 京都堀川の「一条戻橋」
一条戻橋は、堀川に架かる一条通の小さな橋ですが、平安京の造成時から洛中と洛外を分ける場所であったことから、平安時代の京の人たちに、いつしかあの世とこの世を分ける特別な場所と思われるようになりました。父の死に目に会えなかった人が、葬列がこの橋に差し掛かった時に懸命に祈ると生き返ったとか、この橋で深夜美女に声を掛けられたら正体は鬼女だった、陰陽師安倍清明が妻が恐がらないように式神を橋の下に隠したなど、さまざまな伝説に彩られています。そして、豊臣秀吉はキリスト教徒を処刑する際、見せしめのため、一条戻橋で信徒の耳をそぎ落とし、処刑場の長崎に連行したそうです。
なお、今は車が通れる新しい橋になっていますが、旧一条戻橋はすぐ近くの安倍清明を祀った清明神社の境内にあります。
所在地:上京区堀川通一条
アクセス:三条京阪、四条河原町から市バス12系統、一条戻橋・清明神社前下車、京都駅から9系統、一条戻橋・清明神社前下車
地図:Yahoo!地図情報