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クルマは見栄えで選ぶ、“新ラグジュアリー”DS5(2ページ目)

DSラインの第3弾となるトップモデル、DS5が登場。フルスロットルの奇抜さをもつエクステリア、新しいラグジュアリィ言語をもちつつスペーシーな空間をもつインテリア……、と内外装に不満はない。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

パフォーマンスそのものは必要十分だが

シトロエンDS5

最高出力156ps/最大トルク240Nmを発生する1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載。アイシンAW製の6ATを組み合わせ、燃費は11.3km/l(UTACによるJC08モード測定値)となる


とまあ、内外装に不満はない。というか、嫌いな人も多いだろうが、そんなことは意に介さず、何百人に何人かの強烈なファンを生み出せばいいという姿勢には、高い評価を与えたい。なにしろ、クルマ選びには、“見ためが全て”、という側面が、確かにあるからだ。プリウスやフィットが売れるのは、燃費がよくて格好いい(と思える)から、だろう。

注文を付けたいのは、その走りだった。はっきり言って、DSを名乗るシトロエンの上級モデルとしては物足りない。DS4なら、これでも良かった。コンパクトなサイズでDSの世界を表現するのに、走りまで、というのは欲張りすぎだと理解できたからだ。

でも、DS5の大きさともなると、話が少し違ってくる。何しろ、デザイナーがここまで好き放題(笑)やれる大きさなのである。それなら、走りにも少しはシトロエンのアヴァンギャルドさを期待したくなるのが、クルマ好き人情ってもんじゃないか。

もちろん、パフォーマンスそのものは必要にして十分。たいして不満はない。よく走ってくれると思う。けれども、大きなDSの走りは、そこになかった。乗り心地はモダンだけれども、節々が効き過ぎているし、C5やC6にあった心と身体をすべてゆだねてしまいそうになる夢見心地は、ほとんどない。

だいいち、直進安定性が、さほど良くないというのは、どうしたことか……。

内外装が気に入っていただけに、乗り終えた後の感想はといえば、ちょっと残念のひと言、だった。クルマは見栄えで選ぶもの、だとしても……。

こうなりゃ、次のもっとでかいDSシリーズに期待するほかない、か。
シトロエンDS5

一体成型のポリカーボネート樹脂を用いたエアインテークやルーフスポイラーなどを装着。Cd値0.29、前面投影面積を0.69平方mと空力性能も高められている

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