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石の上にも3年、「朝ドラ女」は35年(2ページ目)

「朝ドラ女」といわれて意味が通じる連続テレビ小説の浸透力は、並外れています。その源は、同じようなことを長年続けていることでしょう。これに続くドラマシリーズとは?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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継続は力なり

なぜ、「朝ドラ女」といった共通イメージが浸透しているのか、これは長年「同じようなことを繰り返している」強みでしょう。基本パターンとして、ヒロインは明るく前向きで夢を目指して努力しています。このパターンを確立したのは1966年の『おはなはん』からですから35年以上続けていることになります。

ただ、「同じことを繰り返す」では、『水戸黄門』のようにマンネリになり、時代に合わなくなってしまいます。だからフォーマットを踏まえつつもいろいろと変えています。

例えば『ちりとてちん』のように、ヒロインがネガティブシンキングだったり、『ゲゲゲの女房』のように自分ではなにも目指さなかったり。また、逆にパターンを極端に振り、『ちゅらさん』のように明るさがノー天気レベルだったり、『カーネーション』のように夢を目指す馬力が凄まじかったり……。

他に続けているのは

こんなに同じようなことを長年繰り返しているのは、後は大河ドラマ、テレビ朝日水曜21時の刑事もの、スーパー戦隊シリーズぐらいでしょう。

1963年からの大河ドラマは、歴史を主に勝った側から描いています。源義経や織田信長、現在放送中の『平清盛』の平氏も最後は破れるけどそれまでは勝ち。赤穂浪士は最後に切腹しますが本懐はとげています。明らかに負けているのは少なく、最後に怨霊になったわけではありませんが『平将門』、薩長・明治政府と戦い続けた『獅子の時代』など。最近では『天地人』が関ヶ原で負け、その後の江戸幕府下でいかに生きていくのか? というところが興味深い展開でした。

テレビ朝日水曜21時の刑事ものは時間帯の移動はありますが、1961年の『特別機動捜査隊』からの流れだから半世紀続いています。昭和のころは他にもたくさん刑事ドラマが作られていましたが、平成になったあたりから古くさいイメージになり、次々に終了。水曜21時枠が『はぐれ刑事純情派』あたりで孤塁を守り、2000年代になって『相棒』のヒットで盛り返しています。

1975年の『ゴレンジャー』に始まるスーパー戦隊シリーズも、1990年前後には他のスーパーヒーローシリーズがなくなり、また自身もマンネリがいわれて打ち切りの危機に。そこからCGなど特撮技術の進歩やストーリーの深化、イケメンの投入などが当たり、仮面ライダーシリーズの復活につなげています。

これに続くのは

これらNHK朝ドラや大河、テレビ朝日水曜21時の刑事ものとスーパー戦隊シリーズに続く可能性があるのは、日本テレビの水曜ドラマとフジテレビの月9でしょうか。

日本テレビの水曜ドラマは『ハケンの品格』『ホタルノヒカリ』あたりから「ちょっとへんなヒロイン」という路線をメインに好評です。それでもたまに男性主役もやってみて、最近では『クレオパトラな女たち』が内容はいいけど視聴率的にはコケて、やや悩みもあるようです。

月9はもちろん恋愛ドラマ路線ですが、近年は恋愛ドラマが冬の時代で、2012年になって『ラッキーセブン』『鍵のかかった部屋』と脱恋愛傾向へ。それでも現在の『リッチマン、プアウーマン』は全盛期のトレンディドラマの要素をちりばめつつ、以前とはまったく違ったものになる意欲作になっています。今は苦しくても、そのうち壁を破ることもあります。なんとか続けていってほしいと思います。
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