約1.3キロ、400店余が集まる
日本で最初に銀座の名称がついた商店街

九州まるごと市場

最近では各地のアンテナショップが店を出したり、物産市を開いたりという動きが出てきている

今ではどこの街にもよくある●●銀座と名付けられた商店街。実はその発祥はここ、戸越銀座でした。関東大震災で被害を受けた中央区銀座で使われていたレンガを譲り受け、当時水はけの良くなかった戸越の通りで再利用をしたという経緯があり、それで戸越銀座という名称が生まれたのだとか。もともとの地名「戸越」は、江戸を越えた土地という意味の「江戸越え」に由来し、当時は江戸の外れだったというわけです。

 

商店街

昔からここで営業を続けてきた個人商店が中心。中には今は少なくなったプラモデル専門店などもあった

現在の戸越銀座は中原街道から国道一号線(第二京浜)を超えて商店街が延々とつながり、総延長は約1.3キロ。大阪の天神橋筋商店街の約2.6キロに比べると、やや短い(!)ことになりますが、それでも東京では有数の長さです。集まっている商店の中にはスーパーやチェーンのドラッグストア、ファーストフード店も増えてはいますが、地元の個人商店がまだまだ多く、それがこの街を盛り立てようという意識につながっているようです。

 

銀ちゃん像

あちこちで見かける銀ちゃん像。3色見付けてラッキーになろう

戸越銀座にはいくつもの名物がありますが、分かりやすいのが戸越銀次郎、通称銀ちゃんと名付けられたキャラクター。近所を散歩しているところをスカウトされたという猫で、2004年に登場、現在では商店街のあちこちには黄色(必勝祈願)、青(健康長寿)、ピンク(恋愛成就)の3色の戸越ストーンを持った銀ちゃんが立っていますし、最近ではおでんや団子を持ったちび銀ちゃんも登場。愛嬌を振りまいています。

 
銀ちゃんグッズ

こちらは眼鏡その他を扱う店。Tシャツやピンバッジなどの銀ちゃんグッズが売られていた

また、とごしぎんざブランドと名付けられた商品群も名物のひとつ。最近では地名を冠した商品は珍しくありませんが、ここ戸越はそうした地元ブランド作りでも先駆。ソースやお茶、ワインや洋菓子類などが作られており、銀ちゃんのイラストが描かれた商品なども。最近ではさらにコロッケを使った町おこしも行われており、おでん種屋さんが作ったおでんコロッケなるユニークな品も登場しています。ちなみに私も何種類か食べたことがありますが、おでんコロッケは微妙。決してまずくはありませんが、素直におでん種として食べたほうがおいしいかなというのが感想です。昨年からはチケット制の飲み歩き、食べ歩きイベントなども行われており、商店街の熱心さが伝わってきます。

 

庶民的でお手頃価格、
会話のある商店街

八百屋の店頭

昼過ぎや夕方になるとたたき売り状態になる店も多く、競争があって物価は安い

さて、実際の商店街ですが、至って庶民的な雰囲気で中にはレトロすぎるだろうと思うような店舗もあるほど。業種としてはほぼなんでもあり、特に主婦や単身者にうれしいのがチェーン店ではないお惣菜屋さん、お寿司屋さんなど中食に便利そうな店が多いこと。価格もお手頃で、毎食何かを買っても懐は痛まなさそうです。価格の安さはお惣菜に限ったことではなく、野菜なども一山いくらといった価格設定が多く、しかも夕方になると安売りしてくれたりもします。飲食店も同様で、生活費全般が安くつく街というわけです。

 

会話のある街

あちこちの店先、歩いている人同士で会話のある街という印象が強い

もうひとつ、商店街を歩いてみて実感するのは会話がある街だという点。個人商店の場合、スーパーなどと違って無言のままでは買い物しにくいのは当然ですが、義務的な会話だけでなく、いろいろ話をしてくれる、フレンドリーなお店が多いのです。この時期のお勧めであったり、最近できた店の話題であったり、会話の内容はその時々ですが、ほっとする気分になるものです。街中でも知り合いと立ち話する人たちの姿をよく見かけました。ひとり暮らし、初めての街での暮らしに不安を抱いている人には、こうした会話のある街がお勧めではないかと思います。

 

小規模な一戸建て、アパート中心の住宅街、
細街路も多いので注意が必要

細街路

商店街から少し入ると細い路地も多く、注意が必要

商店街から一本入ると、この周辺は小規模な一戸建てやアパートなどが多い住宅街。路地からさらに私道を入ったところに住宅があるようなエリアや細すぎる道もあり、防災面ではやや難のあるエリアも。商店街は品川区豊町、戸越、平塚などにまたがっていますが、このうちのいくつかの町丁目は東京都の地域危険度評価であまり芳しくない評価を得ていますから、住宅を探す際には災害時の想定、避難経路も考えた選択が必要でしょう。

 

植物園園内

公園とはちょっと違うが、もうひとつ、緑のある場所としては中原街道沿いにある星薬科大学の薬用植物園も挙げられる

住宅が建て混んでいるという点からも分かるように、公園、緑地などは少ないエリアでもあります。周辺である程度の広さがあるのはかつて熊本藩細川家の下屋敷だったという戸越公園くらい。その意味では利便性は非常に高いものの、自然環境という意味では残念ながらあまり大きな期待はできない地域というわけです。

 

さて、続いて気になる東急池上線戸越銀座、都営浅草線戸越周辺の住宅事情を見ていきましょう。