床材・フローリング/床・フローリングのリフォーム

和室の畳をフローリングに上手にリフォームする方法

和室の畳をフローリングの床に上手にリフォームする方法をご紹介します。予算にあわせて床だけ工事、壁や天井も洋室化、障子や襖はどうする?など、それぞれのポイントと注意点をご紹介します。

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

和室の畳をフローリングにリフォームしたい、でも壁や天井はどうすればいい?障子や襖は?費用が安い床だけ工事や、完全洋室化をしたい場合など、それぞれのポイントと注意点をご紹介します。見積もりの取り方の工夫で予算にあった工事ができます。

和室の畳を床だけフローリングにするリフォームなら手軽で費用も安い

和室を洋室化するリフォームの場合、どこまでするかで費用が異なり、見た目も変わります。手軽で安いのは、畳だけをフローリングの床にし、板張りの天井、塗り壁、白木の柱や枠まわりはそのまま残す方法です。

工事方法は今の床組の状況によって異なりますが、一般的な方法は、畳を撤去した後、床組を行い、その上に床材を張ります。また和室と洋室では、壁と床との境目にある枠の作りが違いますので、状況によってはそのまま利用したり、新たに幅木を取り付けるなどの作業を行います。

3フローリング

和空間に似合うフローリング。木肌が美しい国産の樹木(里床/永大産業


畳をフローリングの床にリフォームするだけなら、工事費用の目安は、6畳間で138,000円程度(※)です。しかし床だけの工事は、他は和室のままなので見た目のバランスが悪くなってしまうことも。そんな時は、床材の選び方や、襖や障子にひと工夫加えることで、おしゃれにコーディネートできます。

床だけフローリングは、襖や障子にひと工夫でおしゃれに変身


和紙スクリーン

障子をスクリーンに変えればおしゃれな雰囲気に。畳をフローリングにしたら襖や障子にひと工夫(プリーツスクリーン/TOSO


床だけの工事の場合は、床板にヒノキやカエデ、松など和テイストなフローリング材を選んでリフォームすると、しっくりと馴染んでくれます。また白木の和室なら、白っぽい色の床と相性抜群!ナチュラルテイストの和モダンが作れます。

畳をフローリングに変えたら、建具にもひと工夫しましょう。障子は和紙のスクリーンに変えたり、襖紙を無地のモダン柄に張り替えたりすれば、一気におしゃれな雰囲気になります。スクリーンは今ある障子枠に取り付けるだけなので、自分でもできます。

柱や枠はあく洗いでキレイに、塗装すれば和カフェ風にも

柱や枠まわりの白木の汚れが気になる場合は、あく洗いと呼ばれる薬品洗いで明るくキレイにできます。思い切ったイメージチェンジをしたい場合は、選んだフローリングに合わせて、柱や枠まわりを塗装する方法もあります。

レトロシャンデリア

柱や枠回りを黒っぽく塗装すれば大正ロマンなインテリアに。照明にもこだわって(オーデリック


黒っぽく塗装すれば和モダンや大正ロマン風に、オレンジ系なら明るいイメージになります。柱や枠まわりを塗装する時は、壁の塗替えや張替えも一緒にやるといいでしょう。ただし、枠まわりは1回塗装すると、白木には戻すことはできないので注意して下さい。

和室を完全洋室化するリフォームの場合は、見積もりを2種類取ってみる

日本間

和室と洋室では壁や天井、枠の作り方も異なる。和室は柱が見えているのが特徴。

リビングの続き間になっている和室をフローリングにしたい場合など、和室を完全に洋室に変えたい時は、白木の柱を隠す壁を作る工事、天井を作りかえる工事、ドアや窓サッシ、収納の枠まわりの工事などが必要になります。

和室を完全に洋室にするリフォームは、床だけの工事に比べて、工事範囲が一気に広がりますので、費用ががさみます。

そこで、見積もりを取る際には、床だけの部分リフォームと、完全に洋室にする全体リフォームと2種類の見積もりを取って比較検討し、選ぶようにするといいでしょう。

一戸建ての場合、洋室に変更する工事の目安として、和室6畳+床の間+押入れを解体、床はフローリング張りにして隣の部屋との段差を完全に無くし、天井と壁は下地からやりかえてビニールクロス張りに、また床の間と押入れをクローゼットにし、扉を作りかえる工事を行うと、費用の目安は1,130,000円程度(※)になります。
(※積算資料ポケット版リフォーム編2017より)

マンションの場合は、柱は後付けになっていたり、壁や天井が壁紙張りになっていたりすることが多いので、工事は比較的簡単です。

工事無しで和モダンな空間に変身させる方法や、和テイストなフローリングの選び方は下記でご紹介していますので、あわせてご覧下さい。

床に段差を作らないこと、押入れやドアまわりにも注意を

敷居

床に段差を作らないよう注意を。どうしてもできてしまったらスロープを付けて。敷居だけ出っ張るのはNG。

リフォームの際の注意点は、畳とフローリングでは厚みが違うところにあります。

畳の厚みは約5cmあり、フローリングの厚みは約1.2cmですから、そのまま張り直すだけでは段差ができてしまいます。必要な下地組の形状も違います。

まずは後々床材のたわみ、床鳴りが起きないよう、床組はしっかりやってもらいましょう。

また床の段差は必ず解消しておくことです。他の部屋との境目に段差ができないよう注意し、どうしてもできる場合はスロープで解消して下さい。

床の高さが変われば、収納や出入り口ドアの枠、襖やドアの補修が必要になることもあります。見積もりを依頼する際には、リフォーム業者に現場の下見をしてもらい、見積もりの詳しい説明を受けるようにしましょう。

洋室に変更するリフォームは、やり方によって費用が大きく異なり、仕上がりも変わります。フローリングの床にするだけでも、アイデア次第で和モダンにしたり、アンティーク風にしたり。リフォームの工夫で新しい和空間を楽しんで下さい。

畳の表替えをするだけでも、和室のイメージは一新します。イマドキは和紙畳や、上にベッドが置けるほど丈夫なデザイン畳もあります。下記にご紹介していますのであわせてご覧下さい。
雑多な物入れになりがちな押入れを再活用するリフォーム、2,400冊の本の収納に、部屋に+α の機能など3つの大変身事例は下記でご紹介しています。
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