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7月31日がメジャーリーグにとって特別な日なワケ

メジャーリーグにとって、「7月31日」は特別な日だ。なぜなら、7月31日の米東部時間16時が、メジャー契約(40人枠内)の選手をウェーバー公示にかけずにトレードできる期限日時だからだ。プレーオフを目指すチームにとって、この日までのトレードは、メリットもリスクも大きい。そのワケとは…

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

チームにとっても選手にとっても、7月31日は特別な日

7月31日は、チームにとっても選手にとっても、特別な日だ

7月31日は、チームにとっても選手にとっても、特別な日だ

また「7月31日」がやって来た。メジャーリーグにとって、この「7月31日」は特別な日である。関係者は片時も携帯電話を離さず、慌しく動き回り、メディアは眠れない夜を過ごさなければならない。なぜなら、7月31日の米東部時間16時が、メジャー契約(40人枠内)の選手をウェーバー公示にかけずにトレードできる期限日時だからだ。

8月以降のレギュラーシーズン期間もトレードは可能だが、その際、メジャー契約の選手を放出する場合は、事前にウェーバーを通過させる必要がある。そうなると、本当は獲得する気がなくとも、ライバル球団の補強を邪魔する目的だけで手を挙げる球団も現れる可能性もあり、非常に厄介だ。

そこで7月31日までに大物選手の駆け込みトレードが頻繁に行われることになる。イチロー外野手がマリナーズからヤンキースへ移籍したり、ブルワーズのエースであるザック・グリンキー投手がエンゼルスへトレードされたことは、まさにこのケースなのだ。


7月31日までのトレードは諸刃の剣

このシステムをもう少し説明しよう。9月1日は「セプテンバー・コールアップ」と呼ばれ、アクティブ・ロースターが25人から40人に拡大され、より多くの選手を試合に出場させられるようになる。ただし、8月31日までにアクティブ・ロースターに登録されていないとプレーオフに出場できない(故障者リスト入りしていた選手は除く)。

プレーオフ進出の可能性のあるチームは、プレーオフに備えてさらに戦力を充実させるため、期限ギリギリまで下位に沈んだチーム(プレーオフ進出に望みのないチーム)から主力級選手の引き抜きを行う。下位のチームはその見返りに若手の有望選手(プロスペクト)や金銭を受け取る。そのため、ウェーバー公示をしないで済む7月31日がシーズンの中で最も忙しい日となるのだ。

もちろん、何事にもリスクは付きものである。プレーオフを目指すチームにとって、即戦力選手を獲得できるメリットはあるものの、このようなトレードで獲得した選手は、オフにFA(フリーエージェント)になることが確実な選手であったり、高額年俸の選手がほとんどで、オフには何の見返りなしにFAで移籍されたり、再契約のために高額年俸を支払う羽目になったりする。

いずれにしても、メジャーリーグはこれからが勝負どころ。もちろん、イチローも勝負どころ。来年もヤンキースでプレーするのか。他のメジャー球団に移籍してプレーするのか。はたまた…… これからの3カ月は例年以上に目が離せなくなってしまった。
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