マッシブなスタイルでQ5より格好いい
Q5、Q7に続きアウディが送り出すコンパクトなプレミアムSUV。ボディサイズは全長4385mm×全幅1830mm×全高1615mm。価格は170ps仕様(納車は今秋予定)が409万円、211ps仕様が479万円となる
コンパクトSUV人気は、世界的にバクハツ中だ。ヨーロッパでも売れているし、北米は相変わらずだし、何しろ中国がものすごい。はっきりいって、規模の小さな(&何だかこうるさい)日本市場なんて、“ちゃんちゃらおかしくてかまってらんないや”、とボクがジャーマンブランドの社長だったら思うことだろう。
日本人からしてみれば、「どうぞどうぞ、うちにはようできたクルマがたくさんやはりますし、遠慮のう、お引取りあそばせ~」と返したいところだし、実際、ジューク、デュアリス、CX-5といった海外(特に欧州)でも人気のモデルがあったりするから、ユーロ安でも高いままのガイシャになんて乗る合理性はまったくなかったりするわけなのだけれども、「だって格好いいんだもーん」という人情だけは、また、そんな合理性だけでは割り切れなかったりもする。
そんな風に割り切れない、ごく1、2割くらいの人のための輸入車であって、そもそも同じ土俵で比較するのが間違っている、とも思う。高いからガイシャ、という考え方は、別に悪くない。イヤなら無視すればいいだけのこと!
というわけで、アウディQ3である。どでかいQ7で多くのアウディファンに二の足を踏ませたかと思いきや、ミドルクラスのQ5でイッキに挽回。ところがライバルと目されるビーエムから、SUVというにはちょっぴり反則ワザ(だって、ワゴンだもの)のお買い得なX1が登場するに及んで、アウディのもっと小さいモデル誕生に、期待が募った。その答が、Q3というわけだ。
ところがこのクルマ、現物を目の当たりにすると、案外マッシブにみえて驚く。へんな話、Q5よりも塊感があって、迫力さえ感じるのだ。身がギッシリ詰っている、そんな感覚だ。おそらく、Q5に比べて全長と全高が大幅に短くなっているにも関わらず、幅だけは−70mmの1830mmと、そのマイナス幅が少ないからだと思う。正直にいって、Q3の方が見ための安定感もあって、格好いい。
幅が1800mmを超えるとダメだ、なんてアナリストみたいなことは言わない。ダメじゃない人が買う、輸入車は、言ってみれば逆差別商品である。みんなが輸入車を選ぶような時代になってしまったら、今のガイシャ好きはいっそ国産車好きにかたよるだろう(少なくとも、ボクはそうなる)。