スカイツリーも見えますよ。歩いて15分くらいだそう。

スカイツリーも見えますよ。歩いて15分くらいだそう。

錦糸町の駅から10分弱。賑やかな大通りを抜けると、縦に細長~い大きな公園があります。大横川親水公園は、業平橋から堅川の合流地点まで約1.8kmにもなる巨大な公園。釣り堀があったり花壇があったり、もちろん子供たちの遊べる遊具スペースもあり、お散歩ワンコの姿もちらほら。桜並木に鳥が泳ぐ池など景観も美しく、様々な趣向を凝らした公園です。ここでは毎年春と秋、墨田区のガラス業者が一同に集まるガラス市も開催されています。その公園をふらふらと、スカイツリー方向に少し歩いて、左に折れたちょっと先にトタン屋根の個性的な建物が見えてきました。周りは住宅街なので、なかなか目立ちます。

青いからすぐ分かります

青いからすぐ分かります


看板です

看板です


入口には「硝子企画舎」の文字。そして入ってすぐは「プリズムプラス」というギャラリー。トタンの三角屋根の建物の中に、白い小箱がすぽっと入ってしまったような、不思議な雰囲気のギャラリーです。昔はバケツ工場だった建物だそうです。硝子企画舎の工房は、以前は門前仲町の方にあったのですが、もっと広くて面白いことができそうなスペースに、と探していたところ、ここを見つけたのでした。世田谷の古い一軒家の一部を使った小さなギャラリー「プリズム+atlier gallery」が、こちらの工房にプラスされて、さらにバージョンアップ!

波多野裕子さんのガラスの器の展示

波多野裕子さんのガラスの器の展示


ギャラリー内の様子。天井にあなぼこ?!

ギャラリー内の様子。むむ、天井にあなぼこ?!


今回訪れたときには、波多野裕子さんの作品展が開催されていました。元々陶芸家だったという波多野さんが、近年はガラスにチャレンジ。パート・ド・ヴェールの技法で、繊細で柔らかな質感の、空気のような器を展示しています。ご本人も在廊し、最終日とあって大賑わい。次々とお客さんが訪れていました。

ギャラリースペースはもちろん手作りです。ホームセンターで材料を調達し、床の板貼りからペンキ塗りまで、みんなでわーっと1ヶ月程で仕上げたんだそう。建物全体でもほとんど業者は入っていないんだとか。ふとギャラリーの上を見上げると、天井には四角い穴が!「これ、いいでしょ。」と嬉しそうに微笑む、硝子企画舎の井上剛さん。天井の立派な木の梁や、工場跡の金属部品などが、なんとも味のある姿で残されていて、四角い穴から眺めることができます。ギャラリーでは、今後はガラス以外にも工芸にまつわる企画展を行なっていくそうです(初回は漆、次回は陶芸の展示です)。ギャラリーレンタルも行う予定だそうなので、興味ある方はぜひご相談を。

梁がカッコイイ!

梁がカッコイイ!

ギャラリーの奥はガラス工房になっています。ガラスといっても技法はいろいろあり、ここは吹きガラスではなくキルンワークの作品を制作。吹きガラスの場合は大きな坩堝でガラスを溶かし、長い筒状の棒で吹いて成形しますが、キルンワークは電気炉(キルン)でガラスを溶かし、装飾や成形を行います。例えば、パート・ド・ヴェールはキルンワークの技法のひとつですが、粉末状のガラスを型に詰めて炉で加熱し、溶かし固める技法です。というわけで工房内には大小様々な電気炉や、ガラスを削ったり磨いたりする機械が置かれていました。電気炉は、素人目だと業務用の冷蔵庫みたいなんですが・・・。人がすっぽり入るくらいの大きな炉もあります。

上:電気炉。ゆっくり温度を下げてガラスを固めます。

上:電気炉。ゆっくり温度を下げてガラスを固めます。
下左:円盤がグルグル回ってガラスを研ぎ、磨く機械。
下右:ガラスを真っ二つに切断する機械です。
 

そして一番奥ではガラス教室が開かれていました。以前の工房から続けている生徒さんも多いそうで、作るものはなんでも自由。大きな鉢カバーを作っている人も入れば、食器などの小物、オブジェのようなものまで、それぞれが試行錯誤しつつ、自分らしい作品作りを楽しんでいました。先生が丁寧に指導してはくれるものの、気ままで大らかな雰囲気の中、めいめいが没頭しています。キルンワークの体験教室も行なっており、初心者でも気軽に作品作りが行えます。ギャラリーにふらっと偶然遊びに来た人が、興味を持ってそのまま教室に参加することもあるそうです。

作るものは自由!生徒さんの作品もそれぞれ完成度高いです。

作るものは自由!生徒さんの作品もそれぞれ完成度高いです。

現在、ここの工房を拠点としているのは全部で11人。硝子企画舎を主催する、井上剛さん、枝利奈さん夫妻を中心に、今年大学を卒業したばかりの若手まで、ガラスをキーワードに様々な人が集まっています。剛さん、枝利奈さんも作家活動をしながら、ギャラリーを運営しています。工房の中には、各作家用の小部屋があり、お互いの気配を感じつつも、集中して作品作りのできる環境があります。大学でもガラスを教える剛さんの生徒だったという作家もいますが、ここでは上下の関係はなく、個人作家として対等な立場で、お互いに情報交換できる場にしていきたいとか。
「今後は勉強会なども開きたいと思っていますが、作家として一緒に成長できる場になれたらと思います。若手といっても、既に個展や卸しをしてきちんと独立している作家もいますし、若い彼らからいい刺激をもらっていますよ。」と枝利奈さん。

上左:自分の工房で制作中の、若手作家の田原早穂子さん。

上左:自分の工房で制作中の、若手作家の田原早穂子さん。
上右:剛さんと談笑中。ほのぼのとした雰囲気の工房です。
下左:大阪芸大を卒業したばかりの竹内瞳さんと西村典子さん。
下右:八木麻子さんの手作りブローチは個展でも大人気。
 

ガラス作家に限らず、ものづくりをする様々なジャンルの人に面白がってもらい、今後一緒に何か活動できる場所になれば、と語る二人。
「制作の場とギャラリーを一緒にしたことで、お互い刺激を受け、何か良い効果が期待できるのでは、と思っています。この箱ができたおかげで、今まで心に溜めていた”やりたいな”と思っていたことが実現できそうな環境が整いました。硝子企画舎は、ガラスに関してなんでも相談できるよろず屋として立ち上げましたが、例えばガラスのコップが壊れた、という個人的な小さな相談から、オーダーメイド、企業の企画やコーディネート、建築に関することまで、様々な相談を請け負っています。ここを窓口として多くの人に気軽に使って頂けたら嬉しいです」。

ガラス作品。

ガラス作品。上左:井上剛 上右:荒井美乃里 下左:八木麻子 下右:井上枝利奈


墨田区は、スカイツリー以外にも魅力的なところがたくさんあります。錦糸町、押上などのエリアは古い街並みが残っていたり、昔ながらの美味しい店があったり、散策するのにも楽しいところです。錦糸町駅前には、まるでチョコレート工場のようなロッテのカフェ「シャルロッテ チョコレート ファクトリー」もあるので、寄ってみてもいいかもしれません。うすはりグラスが人気の松徳硝子のショールーム(予約制)や、廣田硝子のショップと体験工房「すみだ江戸切子館」も近いので、ガラス巡りをしても楽しいと思います。


硝子企画舎・プリズムプラス
東京都墨田区石原4-16-7
tel 03-5608-9392
※夏にはショップもオープン予定
http://homepage.mac.com/garasukikakusya/


次回の企画展「小西ようこ 個展」(陶芸/器)
6月30日(土)~7月7日(土) 7月2日(月)休み 12:00~19:00

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