スカイツリーも見えますよ。歩いて15分くらいだそう。
青いからすぐ分かります
看板です
入口には「硝子企画舎」の文字。そして入ってすぐは「プリズムプラス」というギャラリー。トタンの三角屋根の建物の中に、白い小箱がすぽっと入ってしまったような、不思議な雰囲気のギャラリーです。昔はバケツ工場だった建物だそうです。硝子企画舎の工房は、以前は門前仲町の方にあったのですが、もっと広くて面白いことができそうなスペースに、と探していたところ、ここを見つけたのでした。世田谷の古い一軒家の一部を使った小さなギャラリー「プリズム+atlier gallery」が、こちらの工房にプラスされて、さらにバージョンアップ!
波多野裕子さんのガラスの器の展示
ギャラリー内の様子。むむ、天井にあなぼこ?!
今回訪れたときには、波多野裕子さんの作品展が開催されていました。元々陶芸家だったという波多野さんが、近年はガラスにチャレンジ。パート・ド・ヴェールの技法で、繊細で柔らかな質感の、空気のような器を展示しています。ご本人も在廊し、最終日とあって大賑わい。次々とお客さんが訪れていました。
ギャラリースペースはもちろん手作りです。ホームセンターで材料を調達し、床の板貼りからペンキ塗りまで、みんなでわーっと1ヶ月程で仕上げたんだそう。建物全体でもほとんど業者は入っていないんだとか。ふとギャラリーの上を見上げると、天井には四角い穴が!「これ、いいでしょ。」と嬉しそうに微笑む、硝子企画舎の井上剛さん。天井の立派な木の梁や、工場跡の金属部品などが、なんとも味のある姿で残されていて、四角い穴から眺めることができます。ギャラリーでは、今後はガラス以外にも工芸にまつわる企画展を行なっていくそうです(初回は漆、次回は陶芸の展示です)。ギャラリーレンタルも行う予定だそうなので、興味ある方はぜひご相談を。
梁がカッコイイ!
上:電気炉。ゆっくり温度を下げてガラスを固めます。
下左:円盤がグルグル回ってガラスを研ぎ、磨く機械。
下右:ガラスを真っ二つに切断する機械です。
作るものは自由!生徒さんの作品もそれぞれ完成度高いです。
「今後は勉強会なども開きたいと思っていますが、作家として一緒に成長できる場になれたらと思います。若手といっても、既に個展や卸しをしてきちんと独立している作家もいますし、若い彼らからいい刺激をもらっていますよ。」と枝利奈さん。
上左:自分の工房で制作中の、若手作家の田原早穂子さん。
上右:剛さんと談笑中。ほのぼのとした雰囲気の工房です。
下左:大阪芸大を卒業したばかりの竹内瞳さんと西村典子さん。
下右:八木麻子さんの手作りブローチは個展でも大人気。
「制作の場とギャラリーを一緒にしたことで、お互い刺激を受け、何か良い効果が期待できるのでは、と思っています。この箱ができたおかげで、今まで心に溜めていた”やりたいな”と思っていたことが実現できそうな環境が整いました。硝子企画舎は、ガラスに関してなんでも相談できるよろず屋として立ち上げましたが、例えばガラスのコップが壊れた、という個人的な小さな相談から、オーダーメイド、企業の企画やコーディネート、建築に関することまで、様々な相談を請け負っています。ここを窓口として多くの人に気軽に使って頂けたら嬉しいです」。
ガラス作品。上左:井上剛 上右:荒井美乃里 下左:八木麻子 下右:井上枝利奈
墨田区は、スカイツリー以外にも魅力的なところがたくさんあります。錦糸町、押上などのエリアは古い街並みが残っていたり、昔ながらの美味しい店があったり、散策するのにも楽しいところです。錦糸町駅前には、まるでチョコレート工場のようなロッテのカフェ「シャルロッテ チョコレート ファクトリー」もあるので、寄ってみてもいいかもしれません。うすはりグラスが人気の松徳硝子のショールーム(予約制)や、廣田硝子のショップと体験工房「すみだ江戸切子館」も近いので、ガラス巡りをしても楽しいと思います。
硝子企画舎・プリズムプラス
東京都墨田区石原4-16-7
tel 03-5608-9392
※夏にはショップもオープン予定
http://homepage.mac.com/garasukikakusya/
次回の企画展「小西ようこ 個展」(陶芸/器)
6月30日(土)~7月7日(土) 7月2日(月)休み 12:00~19:00
小西よう子 ちいさないとなみ