第5位 噛み合わせ改善のため
上下両方のかぶせものを外して噛み合わせを調整することもある
かぶせものは普通、上下いずれかの片側の歯の形態に合わせ、噛み合わせ面を製作するため、歯の高さは相手側の噛み合わせ面に合わせて作ります。もし相手側の歯が、歯並びのよい状態で生えていなければ、かぶせる歯も歯並びよく作ることができません。
そこで例えば新しく下の奥歯にかぶせる場合、下の奥歯だけでなく、ぶつかり合う上の奥歯のかぶせものを外すことがあります。こうして上下同時にかぶせ直すことで上下間の位置関係をバランスよく修正することができます。
第4位 審美的問題
かぶせものは口の中の審美的要素に与える影響が大きいため、次のような原因で外して作り直すケースをよく見かけます。■表面の樹脂の劣化
健康保険で使用できる表面が樹脂の白い歯が、時間と共につやが無くなったり、変色して目立つようになったときに耐久性の高いセラミックへ変更。
■歯ぐきの露出
歯ぐきが退縮して色が濃い歯の根元が露出した場合。
■金属からセラミックなどへの変更
奥歯の金属が目立つため、セラミックで白い歯をかぶせる。
審美的面から見ると、かぶせものは1本よりも複数本(6本など)まとめてかぶせる方が、歯の色合い、形態、隙間、傾きやバランスなどをまとめて揃えやすくなります。その結果、見た目のきれいな色合いや歯並びを作りやすくなります。
第3位 虫歯の発生
かぶせもの自体は人工物なため、虫歯菌による影響はありません。しかしかぶせた部分の根元には、本来の歯の一部が露出するため、ブラッシングがしっかり行なわれないと、プラークが付着して内部に向かって虫歯が進行します。ひどくなるとかぶせものを外して治療するのが一般的です。さらに歯の神経を抜いてあれば、痛みを感じることがないため自分で発見することは困難です。もしかぶせた歯の根元の歯ぐきが腫れたり、食べ物などが入り込むなどの自覚症状が出た場合には、すぐにチェックが必要です。