「成人病」ではなく「生活習慣病」

テレビや新聞、雑誌などで頻繁に取り上げられるのが健康に関する話題。高血圧や糖尿病、高脂血症といった一般的なものだけでなく、がんや脳卒中、心臓病など命にかかわるような疾患をテーマにしたものがよく取り上げられます。

これらは「生活習慣病」と総称されているものの代表ですが、その名の通り毎日の「生活習慣」によって引き起こされると考えられているものです。以前は「成人病」と呼ばれていた時期もありましたが、30年ほど前から「大人になると誰しもかかってしまう病気」ではなく、「それぞれの生活習慣によって引き起こされる病気」であるという意味合いも込められています。

もし、「生活習慣」によって引き起こされるのであれば、よい生活習慣を身に着けることが大切です。生活習慣の代表が食事、運動と睡眠、お酒とたばこです。今回はこれらについて、医師の視点からおすすめできる健康維持習慣を解説します。

医師がすすめる健康維持習慣(1):食事

メタボ

ちょっと油断をすると太ってしまう。現代人共通の悩みかも知れません。食事の習慣を考えなおす必要もあるのでしょうね。

食事については、「質」と「量」ということになりましょう。

まず、食事の「質」という観点からは、低脂肪高繊維食がおすすめです。近年大腸がんの患者さんが増えていますが、これは食事の欧米化が原因の一つと考えられています。和食と洋食の違いが脂肪と繊維成分。脂肪を避け繊維を増やすことは便通の改善にも役立ちます。

次に、食事の「量」という観点からは、腹八分目ということと食事の門限は夜9時ということでしょう。ほとんどの生活習慣病の原因には「肥満」が挙げられています。肥満患者さんの多くでみられる内臓脂肪の過剰な蓄積は、糖尿病や高血圧、高脂血症をもたらし動脈硬化を引き起こします。

また、最近の研究では大腸がんとの関連も指摘されています。その肥満の原因が、食べ過ぎと深夜の食事。夜9時を回ると体は蓄積のモードに変わるといわれています。腹八分目に抑えながら、夕食は早めに済ませるということが大切です。

医師がすすめる健康維持習慣(2):運動と睡眠

定期的な運動

定期的に行う適度な運動は、心身に良い影響を及ぼします。

定期的な運動は、心身ともによい影響を与えます。走ると汗がでますが、その汗の中に体の老廃物が含まれており、汗をかくとすっきりします(ちなみに、スポーツのときにかく汗と、仕事のときにでる冷や汗や脂汗を比較すると成分が異なるそうです)。

また、体を動かすことで全身の血流がスムーズになります。全身の細胞に酸素を届け、細胞で産生された二酸化炭素や老廃物を回収してくるのは血液の役割ですが、それがきちんと巡ってくることは健康維持にとって重要です。特に、少し早めのウォーキングやジョギング、水中ウォーキングなどは体に過大な負荷をかけづらいこともあり、おすすめです。

もうひとつは、睡眠。これは、時間とタイミングに気を付けましょう。適切な睡眠時間は人によって異なりますが6-8時間が標準的でしょう。また、お仕事の都合でどうしても難しい方は別として、できるだけ日付が変わらないうちに入眠されるとよいでしょう。

医師がすすめる健康維持習慣(3):お酒とたばこ

禁煙

禁煙はやはり健康維持への第一歩です。最近では色々な禁煙方法もありますので活用してみて下さい。

そして、最後は、お酒とたばこです。

お酒は適量がよいのですが、社団法人アルコール健康医学協会によれば、ビール:中びん1本(500ml)、日本酒:1合(180ml)、焼酎:0.6合(約110ml)、ウィスキー:ダブル1杯(60ml)、ワイン:1/4本(約180ml)、缶チューハイ:1.5缶(約520ml)などが標準的とされていますので参考になさってください。また、週に1、2日は休肝日を作ることをおすすめします。

そして、やはり、たばこは吸わないこと。喫煙が健康を及ぼす影響については色々な説がありますが、やはり良い影響を及ぼすとは考えづらいというのが医師としての実感です。健康維持のための基本的な習慣として禁煙は大切だと思います。

これらの健康維持のためのポイントをおさえつつ、定期的な健康診断と、症状があれば早めに医療機関を受診していただくことをおすすめします。

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