HUDは果たして「使える」か
気になるのはHUDが「使える」かどうかだろう。初めてのHUD体験は助手席で、その時は目の前にあるコンバイナー(情報を映すディスプレイ部)が気になって仕方がなかったが、実際に運転しながらだと、コンバイナーはそれほど気にならなかった。信号が見えなくなるのでは? と危惧する意見も多かったが、それもない。走行中も信号はしっかりと確認できる。まあ、邪魔かどうかはクルマやドライバーの体格によっても異なると思うが。ちなみに試乗車はスバル・レガシィである。
ハイウェイモード。日中でもしっかり見える
HUDの情報は、コンバイナーそのものに映るのではなく、コンバイナーの先に虚像として浮かび上がる。夜、電車に乗ったときなどに、自分の姿が窓の外に映ることがあると思う。そんな感じだ。ただしパイオニアの説明では約3m先に見えるということだったが、実際にはせいぜい1m先といった感覚だ。これは、ドライバーの目とコンバイナーの位置関係によるのかもしれない。
逆光以外なら表示はしっかり見える
その情報だが、ドライバーモード、ハイウェイモード、マップモードに切り換えられる。ドライバーモードはルートに沿って、上空にルートだけが浮かび上がるようなモードで、曲がるべき交差点に近づいたときはそこまでの距離や進行方向の矢印が表示されたりもする。また停車時には3つ先までの交差点名も表示できる。ハイウェイモードは通常のハイウェイモード同様、高速道路のSA/PAやIC/ICTなどの施設名を表示するもの。区間ごとの渋滞状況も確認できる。マップモードは地図をコンバイナーに表示するものだ。
この中で、マップモードだけは色味が派手なので、視界から外そうと意識しても気になってしまう。個人的には、このモードではドライブする気にならなかった。となると一般道走行時はドライバーモード、高速走行時はハイウェイモードということになるのだが、実際に見ることは少なかった。
というのも、音声でも、十分な誘導情報が得られるからだ。また、長年、従来のナビを使ってきたせいか、HUDより先についついコンソールの画面に目がいってしまうのだ。もしかしたら、いままでカーナビを使ったことが無い人にはものすごく有用なものに思えるのかもしれないので、それはいずれ試してみたいと思う。
いずれにせよ、一般的なHUDのように液晶ディスプレイを反射させたものではなく、レーザーでコンバイナーの奥に虚像を映し出すという技術は凄いと思う。一般的なHUDは液晶そのものも反射してしまうため、情報の周囲も白っぽく見えてしまったりするが、サイバーナビのHUDは情報だけが浮かび上がる。
さすがにもろ逆光を受けると見えなくなるとのこと(今回の試乗ではそんなシーンがなかった)だが、逆光じゃなければ明るい日中でも、十分に情報は見える。新しモノ好きの人には、たまらなく魅力的なものに映るに違いない。