Ferrari(フェラーリ)/Ferrari(フェラーリ)の車種情報・試乗レポート

バックシャンなリアルスポーツ、458スパイダー(3ページ目)

V8エンジンMRモデルの4世代目オープンは、従来リアルスポーツが敬遠してきたリトラクタブルハードルーフを採用。ところが、そのリアセクションは文句なしのバックシャン。スーパーカー世代にはたまらない、トンネルバックスタイルである。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

クーペより圧倒的に優しくて、モダン

フェラーリ458スパイダー

最高出力570ps/最大トルク540Nmを発生する直噴4.5リッターV8エンジンを搭載。7速F1デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせ、最高速は320km/h、0-100km/h加速は3.4秒未満とされる

最新フェラーリに特有の爆発音=自己存在の強烈なアピール、を響かせてV8エンジンが目覚めた。すかさず、オープンボタンを押す。完全にオープンになるのは、14秒後だ。ソフトトップならもう少し早く空を見上げることができたかもしれないが、我慢できる範囲内である。

ルーフを開けみれば、背後に棚引くサウンドがダイレクトに届くぶん、勇ましさのボリュウムもずいぶんと上がる。同時に、フェラーリの最新モデルに乗っているんだ! という、心のボルテージもはしゃぐ子供のようにイッキにあがって…。
フェラーリ458スパイダー

オープンでの走行に合わせアクセルのマッピングやマルチリンクサスの減衰力を改良。電子制御ディファレンシャルのE-DiffとトラクションコントロールのF1-Tracが統合制御され、走行時の安定性やコントロール性能を高めている

相変わらず、超軽快な身のこなしで走り出す。それでいて、ステアリングフィールにはしっかりとした手応えがあり、四隅のタイヤの存在とサスの動きがはっきりと感じられるから、狭い街中でもいきなり自由自在に扱える。乗り心地も、フラットさを保ちつつ、クーペより圧倒的に優しくて、モダンだ。ちなみに、最新のクーペ(458イタリア)は、スパイダーとのライドフィールの違いをより鮮明にすべく、ハードにより徹している。

それにしても、なんという爆音か。走行モードをスポーツにすると、ただただ爆音をそこらじゅうに響かせるためだけのマシンに乗っているような気分だ。それこそ、街中が“なんだなんだ”と爆音を発する主を探して、振り向く。近所迷惑も甚だしいが、爆音マニアにはたまらないはず。

真骨頂は、もちろんハードドライビングだが、ここでもオープンの方がより自然に振る舞ってくれると思った。クローズドにすると、たとえばレーンチェンジをするような場面での動きに若干、トリッキーさが見え隠れしてしまう。ところどころ、トートツな挙動が出てくるのだ。オープン走行なら、適度なしなりも加わって、アクセルペダルを踏み込む右足も、常に自信いっぱいでいられる。
フェラーリ458スパイダー

可変式電動ウインド・ストッパーを備え、室内への風の巻き込みを防いでくれる。タイヤサイズはフロント235/35ZR20、リア295/35ZR20

それにしても、やっぱり速い。そして、扱いやすい。だから、もっともっとという気分になる。そうなればなるほど、いったいどこでこのクルマのパフォーマンスを全て引き出せばいいというのか、という矛盾が頭をよぎるが、そんなことを考えることじたい、野暮ってものだ。“凄い性能”を頭にインプットしておき、爆音をとどろかせて、街中をゆっくり走るのも楽しいぜ、なんて思える非合理的な感性の持ち主にしか、しょせん、スーパーカーなんて乗れないものなのだから。
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