運用資金が300万円以上ある人は半分をリスク性資産で運用
「半年分の生活費のほかに、運用資金が300万円以上あるのであれば、最終的には資産の5割程度までリスク性商品で運用してもいいでしょう」日本円の資産だけではなく、海外ものの資産にもお金を分けて運用するのがポイントに。
FPの深野康彦さんは、こうアドバイスします。そして、投資ビギナーのためのポートフォリオとして、個人向け国債などの元本確保型の商品を50%、国内株や国内株に投資するETFを30%、外国株に投資するETFを10%、外国債券に投資するETFを10%の比率で運用することを提案します。
「投資の格言に『卵はひとつのカゴに盛るな』という言葉があります。全部をひとつのカゴに入れてしまうと、そのカゴが落ちた場合に卵が全部割れてしまうから、複数のカゴに分けて入れるべきだという意味で、分散投資の大切さを教える言葉として知られています」(深野さん)
この言葉のとおり、資産運用では、国内株、国内債券、外国株、外国債券という異なる値動きをする傾向のある4つの資産に分散して、投資することが望ましいとされています。
300万円を一気に投資しないこと
「ただし、外国株や外国債券は、株式や債券の値動きに加えて、為替変動もあるため、国内株や国内債券に比べると、どうしても値動きが大きくなりがちです。そこで、投資のビギナーは、まずは日本株を資産全体の30%、外国株式と外国債券を10%ずつ持ってみて、価格変動や為替変動に慣れるととにも、投資や経済について勉強することを考えるといいでしょう」(同)このポートフォリオを作る場合も、300万円を全部一度に投資するようなマネは、くれぐれも禁物です。
「望ましいのは、相場の状況を確認しながら、価格が安い時に買うことですが、投資の初心者には、難しいでしょう。だとすれば、高値づかみを避けるためにも、時間分散が不可欠です。たとえば、毎月同じ日に少しずつ買っていく、あるいは投信積立を利用するという方法も考えられます」(同)
次ページでは、「長期投資をする際に、今一度考えるべきこと」について解説します。
取材・文/大山弘子 監修/深野康彦(ファイナンシャル・プランナー)、藤川 太(ファイナンシャル・プランナー)
イラスト/花くまゆうさく