モデルルームは、たくさん見過ぎると、どれがいいのかどれが自分にぴったりなのか、わからなくなってしまいます。事前に情報収集し、購入候補を絞り込んでから出かけるのが見学のコツ。いきなり飛びこまないよう、気を付けてください。
マンション購入のご相談を受けていると「いろいろ見たけれど、1件目のマンションに決めた」という方が意外に多いのです。1件目のモデルルームが、いかに強く良い印象で残るか、ということですね。くれぐれも、ひとめ惚れ(?)して後悔をしないよう気を付けてください。
見られているのは、あなた。
さて、見に行くのがモデルルーム。そのとおりです。ところが、実は、「見られている」のです。そう、あなたが、です。
モデルルームは、販売センターに併設されていて、マンションギャラリーなどという名称のところがほとんどです。聞いた感じも見た印象もかっこいいです。
そのマンションギャラリーにあなたが車で乗りいれると、あなたの車がチェックの対象。颯爽と降り立ったあなたの装い、バッグ、靴、アクセサリー、時計もすべて、ウオッチポイント。
だからって、見栄を張る必要なんてありません。だって、手の届かない高額な部屋を案内されても困ります。
大切なことは、「等身大」。
予算もそうです。マンションを買っても自分らしく暮らしていける「自分予算」で購入しなければ、あなたの暮らしは、ボロボロ。マンションを買っても、ちっとも楽しくなんかはありません。
※購入予算は、ガイド記事をぜひご参照ください。
お連れの方も、見られている!?
なんと、見られているのはあなただけではありません。あなたが誰と来場するかも重要用要素。あなたは誰とモデルルームを訪問しますか? 彼? 彼女? 友人?仲良しグループでワイワイ来られちゃうと、他の真剣なお客さんに迷惑がかからないかと、案内側も気が気じゃありません。でも、仲良しの知人と二人となると、場が和んで、あなたも案内側も本音に近い話や情報交換ができて有意義な見学となりそうです。
案内側がもっとも嬉しいのは、親との訪問。シングルやディンクスの場合、親からの資金援助が出るケースが多く、そのためにあなたは、親にマンションを気に入ってもらう必要があります。親を連れてくるというパターンは、「これは、脈あり」と案内側に思わせる十分な情報なのです。
誰が見る? 何を見る?
肝心なこと言い忘れていました。あなたを見るのは、誰か。それはマンションの「売り手」です。
何を見ているのか。それは、あなたの資金力と真剣度。
とはいえ、ベンツに乗って、ブランドのバッグや時計を身に付けているからといって、購入予算がふんだんにあるとは限りません。逆に、持ち物が派手だと、「カードローンなどはないだろうか」「頭金はあるのだろうか」「住宅ローンの審査が通るだろうか」と不安もいろいろわいてきます。
本当のことは、あなたの収入額を聞かないとわからない。収入があっても、それ以上の支出があれば住宅ローン返済は厳しいし、他の借入があれば住宅ローンの借入だって難しいです。最終的には、家計収支を聞かないと資金力はわからない、そういうもの。
でも、見ているのです。あなたの見た目を。
モデルルームを案内する際は、あなたとお連れの方との関係や会話を見聞きし、案内側への質問などによって、より濃い情報が売り手に入ります。この段階では、あなたのマンション購入に対する真剣度が見えてきます。
モデルルームは騙し合いの場ではありません。自分にぴったりのマンションを買いたいあなたと、自慢のマンションを買って欲しい売り手との真剣勝負の場です。
気になるマンションがあれば、事前に情報収集して、心して訪問してください。一人でもかまいませんし、最適な人と一緒に行くのもOKです。私も、ご相談者に同行して訪問することがありますが、マンションのことをよく知っている人といくと安心ですね。
ぜひ、モデルルームを見て、暮らしのイメージを体感し、売り手の話を聞いて、マンション購入のプロセスを楽しんでください。「わからないことはプロに聞く」、質問もたっぷりしてきてください。