まずは2~3倍程度のレバレッジで取引してみよう
FXは、預けた証拠金に対して含み損の額が一定水準に達すると、その時点で強制ロスカットといって、有無を言わさずにポジションを清算させられてしまいます。当然、その時点で生じていた含み損は実現され、預けた証拠金から損失額を差し引いた残金が、投資家に返済されるわけですが、強制ロスカットされてしまうと、その時点で証拠金の大半を失うことになるため、ダメージが大きくなります。
強制ロスカットは、レバレッジを高めにしてポジションを取った時ほど、執行される確率が高まります。
FX初心者の場合、為替差益を狙って果敢に取引するというよりも、まずは為替レートの値動きに慣れることが大切ですから、なるべく強制ロスカットされずに、ポジションを維持し続けられるような取引を心がける必要があります。そのためには、何はともあれ、レバレッジを低めにしてポジションを取るようにしましょう。
まったくレバレッジをかけなければ、FXの持つリスクは外貨預金と変わりません。為替手数料などのコストが安い分、FXの方が有利になる可能性もあります。ただ、それではどうしてもトレードの面白みに欠けるというのであれば、2~3倍程度のレバレッジで取引してみてはどうでしょうか。この程度のレバレッジであれば、よほど為替レートが大きく動かない限り、強制ロスカットされる確率は低くなります。
取引スタンスによっても変わるレバレッジ
トレードには純粋に為替レートの値動きだけを追って為替差益を狙う短期トレードと、スワップポイントの確保をメインにする長期トレードがあります。レバレッジは、こうした取引スタンスによっても、かけ方が変わってきます。たとえば長期でポジションを持ち、スワップポイントを確保していくというのであれば、レバレッジは低めにした方が良いでしょう。このような取引では、強制ロスカットされることなく、日々、スワップポイントが得られるようにする必要があるからです。
これに対して短期トレードの場合は、レバレッジを高めにします。デイトレードなどの短期トレードでは、為替レートのわずかな値動きを捉えて売買を繰り返し、小さな為替差益を積み上げていくというトレードが主になるからです。小さな値動きのなかで、より大きな実現益を確保するためには、レバレッジを高めて取引するより他に方法がありません。
ただし、レバレッジを高めるということは、前述したように、わずかな為替レートの変動によって、強制ロスカットされるリスクも高まります。なので、ポジションを持ったら、同時に自分自身で考える損切りのレベルを決め、そこに達したらすぐに損切りをするように心がける必要があります。