マレーシアのおやつの特徴
果物のおやつも多い。パパイヤは真ん中の黒い種を取って食べる
じつはマレーシア人、ランチの量は日本人に比べてすくなめです。なぜなら、おやつをよく食べるから。サクサクの揚げバナナ、黒蜜がけのふるふる豆腐、タピオカモチ、おしるこ、豆乳など、10メートルほど道を歩けば、なにかしらのお菓子屋台が商売していて、気軽に買うことができます。このおやつ文化は、昔、イギリスに統治されている時代にアフタヌーンティーを引き継いだとも。企業によっては、お昼の3時、いっせいにおやつ休憩をとる会社もあります。また、ひんぱんに糖分や水分を補給するのは、暑い国ならではの知恵。おいしいおやつやドリンクで体を潤しながら、旅を続けましょう!
マレーシアのおやつ1 カレーパフ
パイ生地の中にはカレー粉をまぶしたジャガイモ。腹持ちがいいカレーパフ
マレーシアでもっとポピュラーなおやつ。サクッとしたパイ生地のなかに、カレー粉で味つけしたポテトがたっぷり入っています。高級バージョンになると、ゆで卵も包まれていて、これまた美味。ほとんどのカレーパフ屋台が、自家製で作ったものを揚げたてで販売。そのため、時間によっては長蛇の列になることも。マレーシア人は、お気に入りのカレーパフを手土産にしたりします。
マレーシアのおやつ2 マンゴーロー
粗く削った氷にマンゴーピューレ―をかけたマンゴーロー
マレーシアの果物は安くておいしいんです。マンゴーやパパイヤは100円で、ドラゴンフルーツは200円、ドリアンは丸ごと1個で300円くらい。贅沢に生マンゴーをピューレにし、かき氷にかけたのがマンゴーローです。自然な果物の甘みが、冷たい氷とともに、口のなかで上品にとろけます。マンゴーだけでなく、庶民派メロン、ハニーデューのピューレをかけたかき氷も人気です。
マレーシアのおやつ3 チャンドル
ペナンで食べたチェンドル。バンでの移動販売でよく見かけます
ココナッツミルクとヤシ砂糖(グラママラッカ)をたっぷりかけたかき氷。本来マラッカの名物料理ですが、クアラルンプールでも食べられます。チャンドルの特徴は、ぷるぷるの緑のゼリー。これは緑豆とタピオカ粉から作ったもので、味は無し。マレーシアのかき氷はじつに多彩で、とうもろこし、ピーナッツなどの具がたっぷり入ったABCカチャンも有名です。
マレーシアのおやつ4 豆腐花(トウフウファー)
シンプルながらも心に沁みるやさしい甘み。豆腐花(トウフウファー)
台湾で人気の豆腐花は、マレーシアでもポピュラー。たいて屋台では、自家製の豆乳とセットで売っています。その日の朝に仕込んだ作り立ての豆腐。醤油をかければ冷奴です。マレーシアでは、黒蜜(ブラウンシュガー)、または白蜜(ホワイトシュガー)を選び、その場でかけてもらいます。ホテルに持ち帰って冷蔵庫で冷やしてもおいしくいただけます。
マレーシアのおやつ5 揚げバナナ(ピサンゴレン)
揚げバナナの屋台には、揚げヤム芋、揚げスイートポテトもあり
東南アジアのお菓子の定番、揚げバナナ。サクサクの衣のなかに、甘酸っぱいバナナがとろりんと溶けていて、素朴ながらも幸せをはこぶ味です。材料にするバナナは、青くて固いものを使います。衣のサクサク感、その厚み、そしてバナナの濃厚な味など、屋台によって自慢の味は様々。評判の屋台には行列ができていて、揚げたそばからアッという間に売り切れていきます。
マレーシアのおやつ6 ロジャ
果物屋台で注文。そのままの果物で食べるか、ソースをあえるか聞かれる
ロジャとは「ミックされた、混在した」というマレー語で、多文化マレーシアという国を象徴する料理。インド系、中国系、ジョホール系、ペナン系と多種あり、それぞれで具やソースが違います。一番インパクトがあるのは、中国系。青マンゴー、グアバなどの酸っぱい果物に、ブラチャン(エビペースト)とタマリンドを合わせたしょっぱ甘いソースをあえます。日本人にはまず無い発想です。
マレーシアのドリンク テタレ
スパイスの効いた料理にはテタレを合わせて。テアイスというと冷たい版
旅の疲れが出たら、コンデンスミルクでたっぷり甘くした紅茶、テタレをどうぞ。テタレとは、テ(紅茶)、タレ(引く)というマレー語。テタレを注文すると、お店のおじさんが両手にコップを持ち、一杯の紅茶を何度か移し替えるのです。その動作が、紅茶を上に引くように見えるので、テタレ。容器を移し替えることで、まるでワインのデカンタのごとく、空気が入り、まろやかに泡立つのです。