あかるい箱 (絵本)
主人公の名“Ririko”と描かれた物憂げで妖しい表情を浮かべて頬杖付く人魚。何かこちらの心を読み透かされているような表情に、思わずゾワッときて手をのばしてしまいました(いわゆるジャケ買いというヤツです)。
「何かを誰かを待っていること~」は、その間の時間が止まってゆくこと
りりこさんの住む部屋そこにあるのは安堵? 未来を思い続ける妄想? それともただの幻覚?
不思議な空間の中で少女が見つけたものは本当は何だったんだろう、っと、いろいろな思いにかきたてられます。少女から大人への変換期に、なんとなくこの感じがわかるかも。
宇野亜喜良さんの清らかだけど濁りのある絵が、江國さんの世界観とフィットしていて、両者のコラボレーションが素晴らしい作品です。