「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
村上春樹の『「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』は、村上春樹さんに聞く人生の悩み、くだらない相談を1冊にまとめたものです。おすすめの理由としては、ゆるさがいい! 悩みがなくなります。
村上春樹作品は、『ノルウェイの森』をはじめ『ダンス・ダンス・ダンス』、『神の子どもたちはみな踊る』『海辺のカフカ』など、小説だとあれもこれもおすすめなので決められないのですが、一番好きなのはこのシリーズかなと思います。
これはエッセイ。読者が村上朝日堂というサイト(今は閉鎖中)で村上春樹さんに質問をし、それに「ゆるく」答えてくれます。
「カラマーゾフの兄弟は実写版だと誰がいいか?」、「ニコラスケイジの魅力は?」、「オープンツーシーターの良さは?」、「不倫はどう思う?」、「隣のマンションで女性が裸でいるところを見てしまった!」といったことから「働く意義は?」といった深い質問まで答えてくれています。
この本で村上春樹という人間が、とても自然体でムリをせずに生きていることがわかりました。そして、嫌なことがあっても「やれやれ」と言いながらやりすごすことができる性格だとも思いました。そして、知識があって常識もある人だということも! 質問に対する答え方もスマートで、思わず笑ってしまう答えもあれば、なるほどと思う答えもあります。
小説だと見えてこない作家の性格ですが、この本で知り、その柔軟さに村上春樹さんのファンになりました。(私もハルキスト?)
続編でブルーの表紙の『これだけは、村上さんに言っておこう』、CD-ROMで質問内容を余すところなく閲覧できる『CD-ROM版村上朝日堂 スメルジャコフ対織田信長家臣団』もあり、そちらも良いです。