「攻めるお金」には増やせることも期待したい
誰でもお金は増やしたい。でも、金融商品のすべてにリスクがあることをわすれないでおこう。
金額が多少増減しても、生活には直接影響しないお金なので、すぐ現金化できない金融商品に回すことも可能です。10年、20年という単位で使わないお金は、金利の低い普通預金に入れておくよりも、投資資金に回すほうがよいかもしれません。世の中には多くの金融商品があり、リスクの高いものもあれば低いものもあります。
特にリスクの高いものの代表例が、先物取引やFX(外国為替証拠金取引)など。株式投資、金投資なども、リスクは高いほうでしょう。逆にリスクの低いものは、円の預貯金や個人向け国債、円建てMMFなどです。
ノーリスクの金融商品はない
攻めでお金を使うなら、よりリターンの大きいものがいい、そう思うかもしれませんが、投資のリスクとリターンは比例しているので、リスクの高い金融商品ほど、リターンは大きくなり、リスクの低い金融商品は、リターンも低くなります。リスクが怖いので、リターンも少なくていい、と思うと、つい預貯金だけに頼りがちですが、この預貯金も実はリスクがあります。現在の円高、デフレの状況が逆転してしまった時……つまり、急に円安になったり、インフレでバブルのころのようになった時、“円”というお金の価値が下がってしまうのです。こうなると、家庭の総資産の価値も下がってしまうことになります。このように考えると、リスクのない金融商品はないと言えるのです。
守りがいくらになれば攻めてよいか
投資などの攻めは、生活資金を準備した上での余裕資金が生まれてから考えましょう。投資などを始めるには、生活費は最低でも給料の3カ月分、できれば半年分を確保しておくとよいでしょう。月収20万円の方であれば120万円、30万円の方であれば180万円です。月収によって金額に大きな差が出ますね。これは、突然収入の道が閉ざされたとしても、人は生活レベルを急には落とせないことから、個々の月収に合わせて金額を設定するほうが好ましいと言えます。自分の資産がこの金額に全然足りない場合は、いくら投資に関心があっても、勉強するにとどめましょう。日々の生活から貯金力をつけ、しっかりと生活費の土台ができたら、そこから溢れた分を「攻め」に回しましょう。これが、貯金生活を送る人の攻めです。
このような考え方を持っていれば、投資などを始めるにしても、生活を揺るがすような失敗はないでしょう。次回からは少しずつ、投資などのお話に具体的に触れていきます。