/犬が快適な環境づくり

災害に備える、ペットの防災対策を再チェック(2ページ目)

東日本大震災の余波はまだ続いています。喉元過ぎればなんとやらではありませんが、情勢が落ち着くにつれ、つい忘れがちになってしまうのが防災対策。災害はいつやってくるかわかりません。再度わが家の防災対策をチェックしてみましょう。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド


周囲への配慮も忘れずに

避難所として使われることの多い学校

学校は避難所としてよく使用される施設。空間をうまく利用してペットが苦手な人たちとの住み分けを。

避難所には動物が好きな人たちばかりがいるわけではありません。ペットが苦手な人たちに対する配慮も忘れてはいけないでしょう。新潟中越地震の際にはオーナーさんが拾ってきたダンボールを使ってネコ用のトイレを作り、きちんと管理することで周囲からペットおよびペット飼育者への理解が得られたそうです。また、学校の教室をうまく利用することで住み分けができると平井さんはおっしゃいます。たとえば、一番端の教室にはペット飼育者、反対側の教室にはペットが苦手な人たち、真ん中にペットは苦手ではないけれど飼ってはいないという人たちに入ってもらうことで避難生活を円滑にさせることが可能だということです。お互いを差別するのではなく、区別をするということは物事を落ち着かせるには大切なポイントとなるのではないでしょうか。

柔らかい頭をもち、工夫をする

いろいろな物資が不足する避難生活の中で、あるものをうまく利用して少しでも快適に過ごせるように工夫してみてください。そのために防災グッズの中にハサミやカッター、ガムテープなど役に立ちそうなものを入れておくのもいいでしょう。

愛犬とのコミュニケーションを普段以上に

人であれば「今は地震だから」と理解できますが、犬にしてみればなぜ地面が揺れて、なぜ住むところが変わったのかわからず不安でいっぱいなことでしょう。人の場合と同じようにペットであってもPTSD(Posttraumatic stress disorder/心的外傷後ストレス障害)が報告されています。いつも以上に声をかけてあげたり、撫でてあげたり、ストレス緩和の気配りをしてあげることも忘れないでください。

また、今回のような災害ではほこりが充満することから人であっても呼吸器障害を起こす例が多くあります。犬たちは人間よりずっと体高が低いですから、よりほこりにさらされていることになります。そういった面での体の健康に対する気配りも必要になります。

車中で避難生活を送る場合は泌尿器系疾患にも注意

プライバシーがないことを嫌い、車の中で避難生活を送る方も多くいらっしゃいますが、その場合にはエコノミークラス症候群に気をつけなければなりません。犬の場合はどうしても車の中にいる時間が長くなってしまうためにオシッコを我慢させることとなってしまい、泌尿器系の病気になることがありますので、なるべくこまめにトイレをさせてあげるようにしましょう。また、夏の場合では熱中症にも注意です。

「自分のコである」というオーナーとしての明示を

被災地には多くの保護団体、ボランティアが入り込みました。中には、避難所に愛犬をつないでおいたところ、迷い犬かと勘違いしたボランティアがその犬を連れて行ってしまったというケースがあったそうです。迷子札を付けておくことも大切なのですが、愛犬がいる場所に「この犬は私の愛犬です、一緒にここで生活しています」など張り紙をしたりしてオーナーであることをちゃんと明示しておくことも大切なポイントとなります。


いくら準備をしておいてもそれで100%安心というわけにはいかないのが災害です。しかし、日頃から災害への心構えをもち、少しでも対策を練っておくことはきっとどこかで役に立つでしょう。愛しいペットたちを守れるのは、私たちオーナー一人一人なのです。


関連サイト:
日本ヒルズ・コルゲート株式会社
特定非営利活動法人アナイス

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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