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プリウスPHVは、ハイブリッドのプリウスよりお得か?

何度も紹介してきたプリウスPHVだが、ようやくナンバー付き市販車の公道試乗をすることができた。ハイブリッド版と迷っている人も多いだろう。3つの条件を満たせば、プリウスPHVの方がお得だ。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

プリウスPHVとプリウスの、小さくて大きな違い

2011年11月29日から受注を開始し、2012年1月30日発売となった「プリウスPHV」の公道試乗会がやっと行われた。何度か紹介してきたモデルは全てコンセプトカーや先行試作車。今回ハンドル握ったクルマこそ市販モデルだった。改めてプリウスPHVを紹介してみたい。
EVとHVの“いいとこ取り”をした新しいクルマ、それがプリウスPHVだ

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モーターとエンジンの使用状況だけではなく、充電完了までの残り時間や充電電力がひと目でわかるようになっている

モーターとエンジンの使用状況だけではなく、充電完了までの残り時間や充電電力がひと目でわかるようになっている

システムを稼働させるべく、プッシュボタンを押す。プリウスと全く同じで、数秒後に『READY』のランプが点き、いつでも走り出せるようになる。Dレンジをアクセル踏むと、プリウスと同じようにモーターで走り出す。プリウスとの違いは、100km/h以下ならこの状態で走れること。

 
試乗会にはマイカーの日産リーフで行ったのだが、プリウスPHVも電気自動車と全く同じ。カタログ上の理論値なら26.4km。普通の乗り方だと20kmくらいの距離を電気自動車のまま走れてしまう。リーフにも言えることながら、モーターで走っている状態は不思議と清々しい。

20km走ると貯めている電気を使い切り、そこからは普通のプリウスと同じくガソリンが無くなるまで走れるという寸法。近くに行くときはエネルギーコストの低い電力で、遠くに行くならエネルギー補給の容易なガソリンでどうぞ、というのがプラグインハイブリッドの売りだ。


「10万kmで44万円のお得」だが、「環境にやさしい」は間違い!?

充電は簡単だし、
充電スタンド以外でも、自宅にPHV専用コンセント等を準備すれば、専用の充電ケーブルで充電できる

充電スタンド以外でも、自宅にPHV専用コンセント等を準備すれば、専用の充電ケーブルで充電できる

早い。普通の100V電源で3時間。電気自動車用の200V電源あれば1時間半で満充電できてしまう。15km先の目的地で3時間滞在する場合、100V充電しておくと帰りも電気だけで帰ってこられるという寸法。上手に運用すれば電気だけで走れるのだ。

 

エネルギーコストで考えるとガソリンより電気の方がずっと安い。ガソリンだと走行1万kmあたりに必要なコストは約8万円。電気だと3万6千円(注:夜間電力なら走行1万kmあたり1万4千円)。電気だけで10万km走れば44万円浮く計算。つまりプリウスPHVの本質は「ハイブリッドのプリウスよりお得なこと」なのだ。

こう書くと「電気なら環境にやさしいでしょ」という人もいるかもしれないが、そうでもない。二酸化炭素の排出量で言えば、火力発電所が主体となっている現在の日本だとガソリン走行も電気走行もイーブン。太陽光発電などと組み合わせない限り、「環境にやさしい」は明らかな間違い。

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