ブレーキトラブルの原因は、ABSの制御プログラムに!

 プリウス
プリウスは世界中のどのメーカーも真似ができないほど、高度なシステムを搭載した世界に誇れるクルマだけに、対応の遅れによってイメージダウンを余儀なくされるのは非常に残念なところ
連日マスコミをにぎわせているプリウスのブレーキトラブルの問題ですが、2月9日に正式にリコールの対象となることが発表されました。リコールの内容としては、ブレーキのABS制御プログラムに不具合があったため、このプログラムの内容を修正するというものです。

プリウスでは、制動時に通常の油圧式のブレーキとともに、減速エネルギーを活用して発電を行う回生ブレーキを組み合わせてクルマを減速させています(エンジン始動時にはエンジンブレーキも効きます)。どちらのブレーキをどれくらい効かせるかは、コンピュータが制御して最適に配分しているため、ドライバーは特に意識せずともこの二つのブレーキをうまく併用しているのです。

最近では、この手の回生ブレーキ・システムはプリウスなどのハイブリッドカーだけに限らず、一部の欧州車を中心に普通のエンジンを搭載した車でも採用され始めていますし、昨年からF1マシンに採用された「カーズ」も一種の回生ブレーキといえます。ただそれにしても、これまであまりにもクルマとは縁のなかったものだけに、ちょっとその仕組みがイメージしにくいものかもしれません。

そのため、プリウスのブレーキに不具合がある、という話が出回りだしたころには、この油圧ブレーキと回生ブレーキの切り替えに問題があるのではないか? というような憶測も出ていたようです。ただ、今回のトヨタの発表によれば、不具合はABSの制御にあったというのがその真相だったようです。

実際、ブレーキの効きが甘くなる、ブレーキを踏んでいるのに一瞬減速しなくなる、という症状が現れているのは、例えば雪道や雨の日などの滑りやすい路面や凸凹してタイヤの接地性が悪い路面で、しかもかなり低速での走行中だといいます。これらの状況を考えると、やはりABSが作動した時に症状が現れていたようです。

プリウスのブレーキ・システムでは、ABSが作動すると回生ブレーキがカットされ、油圧ブレーキのみの制御となるように設定されています。ならば、回生ブレーキがカットされた瞬間に、減速させる力が弱まるのではと思われるかもしれませんが、もともとABSが介入すればタイヤのロックを解除するため、回生ブレーキだけでなく油圧式ブレーキの力も弱められるはずですね。となると、やはりこの切り替えポイント自体には問題はなさそうです。

次ページでは、さらに原因を考察してみます