ランドローバー/ランドローバー

コーナーが楽しい、ブランドの“稼ぎ頭”イヴォーク(3ページ目)

コンセプトそのままに登場した新たなスペシャリティカー、イヴォーク。ハンサムルックス+ブランド+小ぶりなサイズと価格、で日本でも人気を博している。その走りはもちろん、イヴォークから見た“レンジローバー”についても考えます。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

真骨頂は連続コーナーを攻め込む場面に

レンジローバーイヴォーク

最高出力24ops/最大トルク340Nmを発生する、可変バルブタイミング機構をもつオールアルミニウム製2リッターターボエンジンを搭載。10・15モード燃費は9km/lとなる


スタイルと同様に、走りも3ドアクーペ/20インチタイヤ+マグネライドの“ダイナミック”が良かった。5ドアの方は、17インチタイアを履く“ピュア”ということもあって、ややしまりに欠け、都内を走っていると、ドタバタしてしまう場面もあったからだ。ランドローバーっぽいさが残っている、とも言えた。

対して、“ダイナミック”の走りは本当にダイナミックだった。ボディが軽くなったことも利いているのだろう、全般的にとても軽快かつモダンで、レンジローバーというよりも、まるでアウディのようである。20インチという大径タイヤを難なく履きこなし、段差や凸凹での不快なショックなどほとんどなし。17インチより快適に走れたほどである。磁性流体ダンパー=マグネライドのおかげだ。

そして、イヴォークの真骨頂は、連続するコーナーをちょっと気分よく攻め込むような場面にこそあった。視線の高さ以外、SUVを駆っていることを忘れてしまうほどに、アジリティゆたか。ロールもかなり少なく、地上高が高いにもかかわらず、路面を舐めるように走る。

試すことはできなかったけれど、それでオフ性能はいかにもレンジらしいという話が本当なら、コンパクトSUVとしてオールマイティに当代ナンバー1レベルの性能だと思う。静粛性もかなり高い。

わずかに気になったのは、ミラーのでかさ(右折時に気になる)と、40km/hあたりでの電動パワステの違和感くらい、だった。
レンジローバーイヴォーク

駆動力やスタビリティシステムを走行状況などにより4つのセッティングに設定できるテレイン・レスポンス を採用。さらにアダプティブ・ダイナミクス搭載モデルにはよりオンロードのハンドリングを高める5つめのダイナミックが加わる。アダプティブ・ダイナミクスは磁性体を含んだダンパーフルードを用いたマグネライド連続可変ダンパーを採用


問題は、だ。イヴォーク人気で広がったレンジの裾野に見合うだけの頂上=レンジローバー・フラッグシップが誕生するかどうか。老舗プレミアムラグジュアリィブランドの未来は、イヴォークが握っているのでは決してなく、次期型のトップモデルによって決まるだろう。極論をすればイヴォークは、真のオーナー予備軍、もしくはブランド応援団育成プラン、に過ぎないのだから。


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