ありそうでなかった下北沢の夜カフェ
19坪の店内に並ぶのはすべてソファ。
オーナーは元会社員で、仕事のかたわら役者として小劇場の舞台に立っていた松本さん。カフェを開くにあたって演劇とゆかりの深い街、下北沢の心に響く物件を選び、渋谷や恵比寿で「アナログ」をはじめ人気カフェを多数手がけるattic planningにプロデュースを依頼しました。
物語のあるカフェ作り
窓辺の一角にはミシンとトルソが置かれ、「お針子さんの部屋」に。
「オーナーからのご依頼は、とにかく自由に遊んでください、ということ。もともとattic plannningのカフェをお客さまとしてよくご利用くださっていたのです」
五味さんがブリキボタンのために考えた物語はロマンティックです。女の子が坂をのぼってきて、たまたま古い洋館をみつけて入ってみたら昔のアトリエだった……というのが物語の骨格。
「そのアトリエはいろいろな人々に使われていました。たとえばお針子さんだったり、画家、役者さん、時計職人、科学者、数学者、音楽家、探検家など。一人ずつがアトリエに小さなコーナーを持っていたのです」
洋館のアトリエをイメージして
ガーネット色のカーテンで仕切られた小部屋は、昔の劇場に見立てて。
古い時計の部品がディスプレイされた「時計職人」のコーナー。奥に「芝居小屋」があります。
いくつもの小さな古い物語が交錯し、若く新しい物語を生みだしていくような楽しげな空気感。それはいかにも下北沢にふさわしい、と言えそうです。
次ページでブリキボタンのメニューをご紹介しましょう。