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春ドラマプレビュー:TBSvs.フジ25年前の因縁(3ページ目)

春ドラマはその後釜を狙って刑事ものが中心になりがち。しかし今回はちょっと違って、刑事以外が推理する事件ものが目立ちます。そしてドラマが始まる前にTBSvs.フジの前哨戦もありました。それには25年前からの因縁がからんでる?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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オリジナルは87年のTBSドラマ

TBS系木曜ドラマ9枠は『パパドル!』。超人気アイドルの錦戸亮(俳優と役名が同じ)が年上シングルマザー(優香)と結婚を決意、しかし所属事務所からは「3ヶ月以内に離婚か引退か決めること!バレたら即引退!」 と突きつけられます。
発表時の仮題は『パパはアイドル』で中山美穂が人気アイドルの本人役で中学時代の教師(三田村邦彦)と結婚するという87年のTBSドラマ『ママはアイドル!』を明らかに意識しています。『ママアイ』はぶっ飛んだドラマで大ヒット、『パパドル!』は再現できるでしょうか。

 続いてフジ系日曜のドラマチックサンデー枠は『家族のうた』。かつては大人気だったロックンローラー早川正義(オダギリジョー)だがバンド解散後はワガママなだけの過去の人。そんな彼のところに幼い姉弟が「お父さん」とやってきて同居生活に。
『家族のうた』は発表時は「お父さん」とやってくるのは三人の女の子でしたが、それが87年のTBSドラマ、田村正和主演の『パパはニュースキャスター』とそっくりだとクレームがあり、設定変更となりました。突然の変更でうまく建てなおされるかどうか気がかりです。

さてこのクレームの件、個人的な意見としては裁判になったとしても設定の類似では盗作ということにはなかなかならない、だからフジとしては「レスペクトさせていただきました」といって済ましてもよかったんじゃないかと思います。そこを済まさなかったのはTBS系金曜の金曜ドラマ枠で放送の『もう一度、君にプロポーズ』が関係しているんじゃないでしょうか?
『家族のうた』の制作会社は共同テレビ、『もう一度、君にプロポーズ』も共同テレビの制作なのです。
共同テレビはフジテレビ系の制作会社ですが他系列の番組も多数制作、ドラマだとテレビ朝日『黒革の手帖』、テレビ東京『嬢王』、WOWOW『パンドラ』などあります。しかしTBSのドラマを制作するのは久しぶり、ガイドの記憶ではプライムタイムの連ドラとしては03年の迷作『愛するために愛されたい』以来だと思います。ひさしぶりのTBSでの仕事があるだけに、クレームもきかなくてはいけなかったのではないか?と想像しています。

TBSでこの問題の前面にでてきたのは『パパニュー』『ママアイ』のプロデューサだった八木康夫取締役。一方、共同テレビには88年からのトレンディドラマ路線でドラマの覇権をTBSからフジへと奪った山田良明社長がいます。当時からのライバル、四半世紀を経てまだ因縁があるようです。

その『もう一度、君にプロポーズ』はホームドラマとは違う、夫婦のラブストーリー。宮本波留(竹野内豊)と妻・可南子(和久井映見)は結婚四年目。ある日、可南子はくも膜下出血で倒れる。手術で意識を回復したものの波留の記憶だけ忘れてしまっていた。波留は「もう一度、ゼロから始めよう!」と妻に再アタックするピュアストーリーです。

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