費用対効果のいい結婚式を!
純白のウェディングドレスに身を纏う――。女性であることを誇らしく感じられるような心躍るあの瞬間は、まさに幸せの象徴です。しかし、“一生の思い出だから”と、アレもコレもと奮発していたら、お金がいくらあっても足りません。いつの間にか予算オーバーということもよくあるハナシ。事実、約78%の人が、「最初の見積もりからアップした」と回答。上乗せされたその額はナント平均99万8000円にも! ゲストの料理やドレスなどをランクアップさせた人が多いようです。いろいろ吟味するうちに目が肥えて、“妥協はしたくない”と考えるのは、至極当然のこと。しかし、予算には限りがあります。できるだけ範囲内に収めつつ、2人のこだわりはしっかり守りたい…。
そのためには「優先順位をつけること」が不可欠です。
「最初にお金のかけどころや、自分たちが大切にしたい箇所をきちんとイメージすること。その上で、優先順位を決めながら2人ですり合わせていくことです」とは、リクルートブライダル総研の鈴木さん。
また、“これまで100件以上の結婚式を見てきた”という結婚式ウォッチャーならぬファイナンシャル・プランナーの山口さんが提案するのは、“費用対効果の高い結婚式”。
「衣装にお金をかける女心は理解しますが、こだわり始めたらきりがありませんし、白いドレスは後から写真で見ると、違いも値段もわかりにくい。それならいっそドレスの予算を抑えてブーケや装飾品に凝ることで個性を出す方法もあります。そして、できれば衣装などの自己満足に予算を割くより、来てくれたゲストに配慮したほうがアナタの株も上がります。結婚式に来てもらうということは、その人を1日拘束するということ。それに見合った失礼のないおもてなしをしたいものです」
さらにもうひとつ。「もらって困るものにお金と時間を費やさない」とアドバイス。
「世の中は、断捨離ブームです。家にあるものを少しでも処分したいと願っているのに、捨てるのに後ろめたいようなものを贈るのは避けたい。新郎新婦のフォトブックやマグカップなどの食器…正直言って使い道に困りますよね。自分のモノなら捨てられても、結婚式の貰い物は捨てづらいですから」
「かけてよかった」項目は、料理とドレス
結婚情報誌『ゼクシィ』によると、「先輩花嫁の“かけてよかったお金”」の筆頭に挙がるのが、ゲストへの料理。ふたりの思いを素材やメニューに取り入れるなど、より“おもてなし色”の強まっているよう。また、ウェディングドレスもグレードアップする傾向が高い項目。予算を抑える時は「チープに見えないこと」がポイントになるそう。何をコンセプトにし、何を優先するのか――。2人で話し合って、満足度の高い結婚式を実現させたいものです。
<出典>
結婚情報誌『ゼクシィ』首都圏版4月号(リクルート発行)
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取材・文/西尾英子 監修/山口京子(ファイナンシャル・プランナー) イラスト/本山浩子