給湯器・床暖房・空調/給湯器・給湯システム

太陽熱利用(ソーラーシステム・温水器)の基礎知識(2ページ目)

再生可能エネルギーとして注目される太陽エネルギー。ここでは太陽熱利用の設備機器についての基礎知識を確認しておきましょう。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド


機器の種類と特徴

太陽熱利用の設備機器には、集熱器と蓄熱槽が分離しているソーラーシステム(太陽熱高度利用システム)と集熱器とお湯を貯める機器が一体化している太陽熱温水器があります。

また、水を温める「水式」と空気を暖める「空気式」とに分類することもでき、「水式」には、「自然循環型」と「強制循環型」の2種類があります。

機器が一体化している太陽熱温水器は、集熱器と貯湯槽との間を対流により自然に水を循環することで温められる「自然循環型」。比較的簡単な構造なので価格も抑えられ、多く普及しているタイプです。「強制循環型」は、屋根に設置された集熱器と、地上に置かれた蓄熱槽とに分離しているソーラーシステムのこと。集熱器と蓄熱槽の間で水や不凍液を強制的に循環させるので、屋根への負担が軽いことがメリットです。

「空気式」は、暖められた空気を送風機ユニットで床下に送り、床下の蓄熱材に蓄熱させ室内に入れ暖房するもの。また、蓄熱槽の水を熱交換器で温めてお湯にします。水漏れや凍結の心配がないのも特徴でしょう。

最近のシステムには、給湯だけでなく床暖房や冷暖房に利用できるもの、太陽光発電モジュールと一体化して、発電と集熱を同時に行うタイプなども提案されています。

集熱器の形状

住宅の屋根に乗せられる集熱器の形状には、「平板型集熱器」「真空管型集熱器」があります。

「平板型集熱器」は黒色で平板の集熱面に、直接、水や不凍液を接触させるもの。構造がシンプルなので価格は抑えめです。真空のガラス管の中に、熱媒を通す管と集熱板を設け、複数並べたものが「真空管型集熱器」です。

太陽熱利用の機器の多くは、新築だけでなく、既存の住まいにも設置することは可能(築年数や屋根の形状によっては不可能な場合も)ですが、設置する際には、建物全体を確認して検討することが大切です。

エコポイントや助成制度も

太陽熱利用システムは、住宅エコポイント制度でも「一定の集熱性能等が確認された強制循環型のもので、住宅エコポイント事務局に登録されたもの」の設置工事が対象となっていますし、また、地方自治体で独自に助成制度を設けている場合もあります。

設置を検討する場合は、具体的な費用はもちろん、助成制度を利用できるのか、故障時や緊急時の連絡体制など、事前に確認しておくことが大切でしょう。


【関連リンク】
太陽光発電システムの基礎知識
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