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LCC(格安航空会社)、その安さの秘密はどこに?(2ページ目)

世界で躍進しているLCC(格安航空会社)。日本でも2012年中に日系LCCがなんと3社が就航となり、勢力を伸ばしつつあります。

執筆者:All About 編集部


LCC、安さの秘密とは?

LCCは、「あって当然」と思われていた多くのサービスを廃止や有料化することによって、徹底的にコストを削減し運賃値下げを実現しています。LCCの低運賃を実現しているのは、以下のようなコスト削減努力のためです。

■機内サービス(機内食や毛布)の有料化
これまで乗客に無料で提供されていた機内食や毛布・枕の配布を、有料化しています。食事をしたい人は、お金を別途払って買うか、自分で食べ物を持ち込まなくてはいけません。別途料金の機内食も特別高いものではなく、エアアジアで1000円程度です。

■都心に近い空港を使わない
大きな都市では圏内に2つ以上の空港がありますが、都心に近い、あるいは多くの航空会社がすでに使っている人気の空港は、航空会社にとっての使用料も高くなります。そこで高い空港を避けて、都心から離れているなど多少不便でも利用料が安い空港を使って運賃に反映します。

■空港における駐機時間の短縮
ある空港に着陸した後、短い駐機時間でまた飛ぶことができれば、それだけ1日あたりの回転率が高く、稼げるという計算になります。LCCではそのような考えのもと、駐機時間を短くしている会社が多くなっています。

ちなみにライアンエアーは、「各空港における駐機時間は25分以下が目標」だとか。搭乗客はその間に乗りこまないといけないので、利用者はうかうかしていられません。

■払い戻しなどは不可
LCCの安いチケットの多くがキャンセル時「払い戻し不可」になっています。LCCでも払い戻し可能なチケットと不可のチケット両方を販売している会社が多くあり、当然ながら払い戻し可能なチケットはその分割高です。

■座席幅を狭くする
もともとエコノミークラスの座席はかなり幅が狭いのですが、それをさらに狭くして、1機の飛行機になるべく多くの乗客を乗せられるようにしています。

今後はさらに競争激化

ここ10年ほどは急拡大してきた世界のLCC業界ですが、今後は競争が激化し、淘汰される航空会社も増えて行くだろうと予想されます。

飛行機にとって命ともいえるのが「安全」です。「安全ではない」とレッテルを貼られた航空会社は、乗客が離れていき、いずれ航空業界から退場することになるでしょう。機内食有料や払い戻し不可はいくら効率化しても安全性には影響ありませんが、メンテナンスなどの面ではそうはいきません。メンテナンスなどの安全面でコストカットを図れば、乗る側としてはかなり不安を煽られるでしょう。いくらコストカットをして、かつ乗客に人気で利益が出ていても、1度事故を起こしたらそれが命取りになる。それが航空業界です。下手をしたら賠償金の支払いだけでも、小さい会社なら倒産してしまいます。

今のところ、LCCで事故の確率が高いというデータはありません。利用者側としてもそれほど心配する必要はありませんが、LCCビジネスが乱立すると、安全性を軽視した会社がもしかしたら出てくるかもしれません。

とはいえ、伸び悩んでいる既存の航空会社と比べ、ここ10年ほどのLCCの躍進ぶりは目立ちます。日本で本格的に始まったこともあり、今後非常に期待が持てるといえるでしょう。
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