その後、30年の時を経て再燃
この紛争のために、イギリスとアルゼンチンはその後しばらく国交断絶が続きます。国交が復活したのは、1990年。それ以降、紛争もないまま時が経過したのですが、最近対立が再び深まっています。激化の理由の1つは、フォークランド諸島の北にある油田開発。イギリスは自国企業で油田開発を進めていますが、アルゼンチンがそれに反対。かつ、フォークランド諸島の領有権をあくまで主張しています。当然ですが、イギリスは譲りません。
ただし、現在はブラジル、ウルグアイ、チリ、エクアドルなど周辺国がアルゼンチン支持を表明しているので、イギリスにとって情勢は厳しくなっています。今度紛争が起こって周辺国がアルゼンチンを支援したとしたら、イギリスはどこまで戦えるかわかりません。なんといっても、地理的にフォークランドから遠すぎるというハンデを背負っているのですから。国家予算上も紛争となると厳しいでしょう。
ちなみにウィリアム王子が2月2日、空軍パイロットとしてフォークランド諸島に着任しています(期間は6週間程度)。これが火に油を注ぐかたちとなり、両国間の緊張状態をより一層厳しいものにしています。
30年たっても解決しないこの領土争い、いまだにその方向性は判別としません。