プレハブハウスメーカーであるミサワホームの商品には、大きく2つの系統があります。一つは木質系住宅でもう一つは鉄骨系(ハイブリッド系)住宅で、主力商品は木質系になります。また、近年は木造軸組工法の「MJウッド」シリーズも展開しています。

■ミサワホーム 「耐震」のポイント
  • モノコック構造(木質系)
  • ユニット工法(鉄骨系)
  • 制震装置「MGEO(エムジオ)」

大地震のエネルギーに耐えるモノコック構造

木質系は壁パネル、小屋パネル、1階と2階の床パネル、屋根パネルの5種類の木質パネルから構成される「壁式構造」。ツーバイフォー工法もパネルを生産するスタイルですが、それを進化させたかたちとイメージすればわかりやすいと思います。

構造躯体

木質系住宅の実物大モデル。パネルを組み合わせることで、地震のエネルギーなど力が点に集中せず、面でバランス良く受け止める構造となっている(クリックすると拡大します)

パネル同士は高分子接着剤やスクリュー釘、接合金物によって強固に面接合し床面・壁面・屋根面からなる6面体を形成する、独自開発の「木質パネル接着工法」を採用しています。これらを総合して「モノコック構造」と呼称されています。

地震の揺れの力などが構造の一点に集中せず、建物の面全体に分散されバランスよく受け止める仕組み。構造部材を点で接合する一般的な木造軸組工法などと比べ、高い耐震性を確保できるといいます。

鉄骨系は鉄骨ラーメン構造のユニット工法を採用しています。ユニットとは、鉄骨の7構造体をボックス状に強固に溶接し接合したもののことをいいます。これは、超高層ビルにも使われる構造です。

工場内でユニットに外壁材やドア、住宅設備機器までを取り付け、それを施工現場まで運んで組み上げるかたちを取りますので、施工期間が短くてすみます。また、高い耐震性を保ちながら、最大54畳分の柱のない空間も実現できるのも特徴です。

また鉄骨系住宅のもう一つの特徴に、専用のニューセラミック外壁「PALC外壁」があります。80mmもの厚みがあるため、耐火性や耐久性、遮音性などが高く、長く安心して暮らせるアイテムとして高い評価を受けています。

地震の衝撃を軽減する「MGEO」

ミサワホームの地震対策といえば制震装置「MGEO」が有名です。近年、ハウスメーカーを中心に採用が進んでいますが、住宅業界の中でも早期に「制震」の採用に踏み切った企業です。現在、木質系のほか鉄骨系、さらにはリフォーム向け(木造軸組住宅向け)などが用意されています。

MGEO

制震装置「MGEO」。木質系のほか鉄骨系、リフォーム用など様々な装置を用意しているのもミサワホームの特徴の一つだ(クリックすると拡大します)

高減衰ゴムなどをセットした制震ダンパーによる構造で、これを壁の内側にセット。地震の震動エネルギーを熱に換えることで、衝撃を最大約50%も軽減するといいます。繰り返しの大きな揺れにも耐えられることも特徴の一つです。

一般的な大きさの2階建て住宅の場合、2カ所に設置します。制震構造は、免震装置(費用は大体1棟300万円程度)を設置するのに比べ、1棟50万円程度の設置負担ですむためコスト的な優位性があります。

このほか、2015年4月には被災度判定計「GAINET(ガイネット)」を開発・発売。これは住宅の基礎部分に設置する計測部で計測した地震波をもとに、住宅内の表示部で分析したリアルタイム震度と建物及び地盤の被災度ランクを表示し、音と連動して警告するもの。オーナーは建物とその地盤の被災度を知ることで、自宅に留まるか避難するかの判断の参考にすることができます。

一方でこの情報はミサワホームにも伝えられるため、建物被害の状況を把握して、被害の度合いが大きい建物を優先してオーナーサポートを行うといったことに役立ちます。東日本大震災では、どの住宅事業者もオーナーサポートに大変苦労しましたが、それを改善することも考慮されたものなのです。

なお、南極の「昭和基地」の建物を提供しているのがミサワホーム。現地に隊員を派遣して、新たな建物を建てたり、既存建物のメンテナンスを行っているそうです。実際には、南極の仕様と日本で販売している仕様とは大きく異なるようですが、信頼性を証明するエピソードの一つといえそうです。


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