カフェづくりはバランス感覚をもとに、即興で
空間をあいまいに区切る欄間。
驚いたことに、空間づくりは即興。五味さんを含む3人のメンバーが中心となって、各自が好きなようにコーナーをしつらえながら、全体のバランスを見て相互に調整していったのだそうです。全体としてひとつのトーンに無造作にまとまってはいるけれど、じつはいくつかの違うテイストが持ち込まれている面白さ。
「洗面所はまた全然違う雰囲気なのですが、その自由さがアナログらしさなのです」
古い本は数十年前に五味さんの父親が読んでいたもの。小学生のころの父親の落書きが残っているそうです。
写真上の茶箪笥も蔵で見つけた掘り出しもの。実際に使われていた家具ならではの表情をもち、一番上の棚には、五味さんの父親が子ども時代に読んでいたという児童書が並んでいました。
無機質な壁に繊細な陰影を描くランプ。
「店内に入ると時間の流れが変わるようなカフェになれたら、と思っています。昼から夜までしっかりと食事のできる空間で、お客さまそれぞれの時をお過ごしください」
アーティスト相原一博さんが壁に綴った単語の数々は、なぜか「死語」がテーマ。