東京の観光・旅行/浅草・上野

上野に温泉! 鴎外荘でお湯・食・文学を楽しむ(2ページ目)

上野動物園のすぐ隣に建つ『水月ホテル鴎外荘』は、東京都が認定した都内第一号の天然温泉です。東京の人気観光地、しかも上野公園の中ともいえるような場所に、天然の温泉があること自体驚きですが、実はこのホテルの敷地内には、日本人なら誰もが知っている文豪・森鴎外の旧居もあるのです。さまざまな楽しみ方のできる鴎外荘を歩いてみましょう。

藤丸 由華

執筆者:藤丸 由華

東京ガイド

名作『舞姫』を執筆した家

舞姫の間

『舞姫の間』。鴎外荘は当時のまま、釘が1本も使われておらず、雨漏りもひどいそうですが、ホテルスタッフの尽力で美しい姿を保っています

舞姫の碑

『舞姫の碑』。刻まれているのは鴎外の文字

上野公園動物園通り沿いのホテル入口を入り、フロントのある建物を抜けると、右手に緑に包まれた趣のある日本家屋が現れます。この建物が、鴎外28歳から29歳にかけて、最初の結婚の期間・約1年半を過ごした家『鴎外荘』です。

幼少期、神童と呼ばれていた森鴎外は、年をごまかしてなんと13歳の時に現在の東京大学医学部へ入学。卒業後は軍医になり、23歳から27歳の時ドイツへ留学します。ドイツ時代の経験を元に描いた『舞姫』は、後に鴎外の代表作の一つとなるわけですが、その舞姫を執筆したのが鴎外荘なのです。

 

於母影。

見学できる3部屋の1つ『於母影』

門のすぐ外には、向き合うようにして『舞姫の碑』『於母影の碑』が建っていますが、これはかつて鴎外荘の玄関だった石に、鴎外自筆の原稿を刻んだものです。

門をくぐり、当時も使われていたという靴箱がある玄関から入ると、鴎外が舞姫を執筆したとされる和室『舞姫の間』、洋風の『於母影』、そして当時蔵として使われていた梁がそのままの状態で残っている『蔵』の3室を見学できます。

 

蔵

当時の梁がそのまま残る『蔵』

特に35畳の舞姫の間は、襖で3部屋に仕切れるほどの広さがあり、そこここに鴎外の写真や遺書、肉筆などが飾ってあり、見あきることがありません。庭には鴎外が愛したという梅の木も健在。緑を眺めながら、鴎外は何を思い、どんな風に筆を走らせていたのでしょうか。鴎外を身近に感じることができる鴎外荘の3部屋ではなんと、食事を楽しむことも可能です(室料別途)。

>いよいよ鴎外温泉に入浴です! 次のページでご報告します。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます