曲面のガラスに囲まれたレストラン
曲面のガラスに囲まれたレストラン
このガルニエ宮は、歴史的建造物に指定されているために、中を改装することは禁じられていて、建物の石柱には直接ふれることはできません。レストラン「L’Opera(ロペラ)」の設計を担当したのは、フランスを代表する女性建築家Odile Decq(オディール・デック)。厳しい基準法をクリアするために、躯体には触れず自立型の構造を曲線ガラスで壁面を作り、何本もの柱をピロティー式で支えて躯体に依存しないで、真っ白な雲が浮いているような中2階をつくり出しています。中2階はメザニン(mezzanine)と呼ばれ、劇場では最前列のバルコニー席をメザニンと呼ぶそうです。つまりオディール・デックは、レストランの中2階席を、バルコニー席に見立てたのですね。
ゆらぎが不思議なリラックス感を生み出す!
1階のレストラン内部
このガレニエ宮を支える強大な柱を内側・外側と縫うように曲面ガラスの壁が連なります。2階部分のピロティーからはみ出したような白い固まりは、繭玉のようであり宙に浮いた雲のようにも見える。その曲面ガラスにモダンなライトが輝き、美しいゆらぎ空間が生まれていました。独特な湾曲したフォルムが微妙に重なり、印象深い強烈な赤と柔らかな白、伝統と現代が重なった未来的なインテリアには驚かされます。それはモダンな空間だけでは味合うことができない不思議なリラックス感をつくり出していました。
2階の宙に浮いたレストラン
2階の宙に浮いたレストラン
2階のレストラン席です。大きなドーム天井が全体を覆い、柱には触れずに床がくねくねと広がり、腰壁で囲まれたいくつものレストラン席が設けられています。有機的な真ん中の穴を覗けば、1階のレストラン席が見ることができます。真っ赤な色彩に心を奪われてたぶんお食事をしている大部分の人は、自分の席が空中に浮いていることには気がつかないでいるのでは…!
L’Operaのテーブル
L’Operaのテーブル
歴史的な建造物の中にモダンな空間を繰り広げるレストラン「L’Opera(ロペラ)」のテーブルも赤で統一されていました。レストランのシェフには、Christophe Aribert(クリストフ・アリベール)が選ばれ、伝統と現代性を共存させるというメニューということです。席が多いからか、実に合理的でてきぱきと料理が運ばれ、流ちょうな英語でというより早すぎるメニューの説明を受け、デザートで迷うと間髪を入れずにお薦めを決められてしまった。
料理は,なかなか美味しかったのですが、振り当てられた席は既存の大きな柱とピロティを支える柱との間というひどい席でしたが、柱の間から垣間見られる「L’Opera(ロペラ)」のインテリアは、驚かされる真紅のモダン空間でした。
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L’Opera
Palais Garnier
Place Jacques Rouch
75009 Paris
Tel: 01 42 68 86 80
Fax: 01 42 68 86 89